ローズ さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
あなたがいるから 君がいて そして俺ガイル
幼少の頃から友達ができずに独りぼっち(ぼっち)を極めようとしている比企谷八幡(ひきがや はちまん)。
生活指導担当の教師・平塚静(ひらつか しずか)に目を付けられて雪ノ下雪乃(ゆきのした ゆきの)が所属する奉仕部へと入部する事となる。
奉仕部の活動を通して比企谷と雪乃は学校生活を送っていくのだが……
物語の肝は主人公の比企谷だと思います。
今までのラブコメやハーレム作品の主人公とは思考・性格において一線を隔しています。
感情的にならず一定の冷静さを保っていて、尚且つ卑屈な考え方の持ち主です。
みんな楽しく仲良くしましょう、というような一般論を美辞麗句のように言う人もいますが、現実と理想は違います。
比企谷の場合、冷静で現実的、ある程度の客観的な視点があるように思います。
クラスの擬似友達が集まってクラス内カースト制を作っているのは、時代が変わっても日本の学校では毎度の事です。
たかが数年間の友達ごっこに神経をすり減らす労力は割りに合いません。
自分という個性を押し殺してまで友達ごっこにお付き合いする必要は無いでしょう。
カースト上位に居続けるために話を合わせたり作り笑いをしたりするほうが不自然の様に思います。
恐らく性善説を信じているイケメンキャラ・葉山隼人(はやま はやと)ですが、比企谷との対比のために存在するキャラでしょう。
一番、腹が立つのは文化祭での比企谷に対しての葉山の怒りです。
比企谷が、物事を適切に判断して言うべきことは言う、というのは当たり前です。
その比企谷の正論を正論として認めないのはおかしいです。
感情論で何でも解決できるんだったら話し合いは必要無くなります。
葉山の仲良しごっこは、自分が輪の中心となっていて周りが見えていないだけなのでしょね。
ある人物の「泣けば何事も解決する」という女性の論理は反則技です。
最低の人間に優しい言葉をかけて問題を解決できたと思っているのは上辺だけの人間。
自分自身の罪の意識を持たせるためには比企谷の行動は正解だと思います。
雪乃の姉である雪ノ下晴乃(ゆきのした はるの)と文化祭実行委員長に立候補した相模南(さがみ みなみ)の2人だけは好きになれない性格のキャラでした。
馴れ馴れしかったり自分が中心に世界が回っていると勘違いしているところに不快感を憶えます。
憎まれ役や悪役キャラが必要なのは分かっているのですが^^;
青春は素晴らしい というような不確定要素の多い言葉は信じられません。
自分が青春と思える時が楽しければいいのではないでしょうか。
ただし、人は平等に時を刻んでいきます。
歳を取っても、今が楽しければ青春ということで構わないでしょう。
まあ高校3年間を大学受験資格を得るためだけと判断して、学校よりも外の世界で遊ぶ友人が多かった人間が本作品を正しい評価できるかどうかは微妙な所なのですが^^;
(特定の人物をイメージしているわけでも体験談でもありません。フィクションということでw)
ハーレム鈍感男が主人公の作品が世の中に溢れかえっている中、アンチテーゼというか異色の作品であることは間違いないです。