STONE さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ほのぼのだけじゃない、清濁併せ持つ面白さ
原作は未読。
動物と人間が同じ環境で普通に共存している作品は古典であるディズニー系を始めとして
よくあるが、大概は人間と一緒にいられるためか?、動物はデフォルメされたデザイン
だったりする。
しかし、この作品の動物キャラは造形がやけにリアル。更に大きさもリアルなサイズで設定
されているため、人間より遙かに大きなシロクマもいれば、逆に小さいペンギンもいて、
これが同じカフェで、やけに人間的な話題で談笑していたりするのが新鮮で面白い。
やけに人間っぽい暮らし振りの動物キャラ達だが、個々の動物としての特性もちゃんと加味
されていて、これらがネタになると当時に、ちょっとした動物雑学みたいなものも養えるのが
嬉しい。
キャラが動物であることで、キャラのアクの強さが緩和されているな、とも感じた。
例えばパンダ君の自己中心的で、自意識過剰で、怠惰な性格など、これが人間のキャラ
だと、笑いより不快感を感じる人が多そうな気がするが、パンダであるためにある程度緩和
されているように感じる。
まあ、パンダになってもしょうもない性格であることには変わりないんだけど、そんな
パンダくんだからこそ、家ではパンダママやメイメイに押され気味だったりするのが
面白いし、常勤パンダさんが去った後で、無理してでも頑張るシーンでホロリとさせられる。
基本的にはゆるい脱力系ギャグが中心だが、随所に毒のある笑い、パロディ、シュール系
ネタもあって、この辺のバランス感覚が良かった。
リアルタイム放映時は平日の夕方に放映されていて、この時間帯だとメイン視聴者層は
子供ということになるののだろうが、子供にはちょっと勿体ないぐらい、センスの良さを感じ
させる作品。また、時折入る心温まる話もいい。
38話の大晦日に今年を振り返る回や、44話の常勤パンダさんが去ってしまう回など、
過去を回想する展開があるが、これらの過去シーンは本当に過去の回で描かれたシーンで、
今までに積み重ねてきた部分だけに非常に説得力がある。これは1年掛けて放映された作品の
強みで、1クールや2クール作品では出せない味かな。
キャストがレギュラーに加えて、ゲストも含めて、やけに豪華。
単に豪華なだけでなく、他作品ではあまり使わない声色を使うキャラも多くて、その辺も
興味深かった。