ぷれんばにら さんの感想・評価
4.1
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
「true tears」を流すにはまだ早い
{netabare}難しかった。それが最初に思い浮かんだ感想でした。
私は2013年1月にリリースされたブルーレイボックスで、初めて本作品を視聴しました。「true tears」という題名の美しさにも引かれ、13話全てを一気に観ることで、本作品の自分なりの感想を持とうとしました。
しかし、それは一度観ただけでは、できなかった。13話視聴後、「雷轟丸とじべたの物語」の完成版を見た後でも、難しかった。
それは、内容が分かりにくいという感覚とは違う、本作品独自のものでした。キャラクターの心情や背景の描写、音楽など1つ1つの表現に、何通りもの解釈の仕方ができるように私には観えました。ストーリーとともに完成されていく絵本も、「雷轟丸が誰を指していて、じべたは誰を指していて・・・」というふうに、一丸には決められない気がしました。
「涙は、心が震えたときに流れる」眞一郎の父は言いました。それが真実だとしたら、物語の最後で乃絵が涙を流したとき、彼女の心は震えていたはず。でも、どうしてあの場面で乃絵の心は震えたのでしょうか。眞一郎にふられたから?私には、少なくともそうには見えませんでした。でも「これだ」と特定はできない。もっと何か、色んな感情が入り乱れていて、しかし本当の理由は彼女自身も分からない。そんな切ない涙だったように見えました。
分かりやすいアニメを作らなければならないルールなど、どこにもありません。でもキャラクター達の言動や背景の描写には、必ず意味があると私は思っています。私のなかでそれらは、まだバラバラな状態。その1つ1つがなんとなく一本の線でつながる事を信じ、時を置いてまた視聴したいと思います。{/netabare}