佑太郎 さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
一日でいいから、あたしより長生きして…。
「一刻館」という名の古いアパートで暮らす主人公の浪人生“五代裕作”は、大学受験の為の勉強に勤しむ毎日…のはずなのだが、一刻館で暮らす隣人達が毎晩のように五代の部屋で宴会を開き勉強などできる状態ではなかった。
そんなある日、とうとう我慢の限界に達した五代は一刻館から出る事を決意するが、そこへ新しい管理人“音無響子”がやってきて、美しい彼女に五代は一目惚れしてしまう。
出て行く事については撤回し、彼女に夢中になるのだが、彼女にはある秘密があって…。
一刻館を舞台に繰り広げられる主人公とヒロインの淡い恋愛模様を描いた、恋愛漫画の金字塔として名高い作品。
26年前の作品で、当時まだ私は生まれていません。
そんな私が今観ても面白く感じる、色あせない良さが詰まった傑作です。
王道な恋愛物語ですが、コメディー要素も強く序盤はドタバタ系のラブコメといった雰囲気で、五代と響子を取り巻く一癖も二癖もある一刻館の隣人達との絡みや、容姿端麗・スポーツ万能・資産家生まれと三拍子揃った強力な恋のライバルの登場、そして五代に想いをよせる女の子達の登場等により物語はどんどん面白くなっていきます。
中盤から終盤にかけてはシリアスな恋愛模様となっていき、感動のフィナーレへと物語は進んでいきます。
個人的にはヒロインの音無響子さんが大好きで、今でも響子さんを超える女性キャラを見た事がありません。奥さんにするならこんな人がいいな〜とか思っていますが、現実はそう甘くないこともわかっています。
今から20年以上前の作品ですので、やはり時代の流れを感じる場面もたくさんあります。
現代では携帯電話を使って簡単に誰とでもつながれるが、この頃はそういうわけにはいきません。
お互い公衆電話や家の電話を使ったり、口約束をしたりで待ち合わせを決めてデートをしたり、たまにトラブルがあっても、すぐに連絡を取り合うことができないのですれ違ったり。でもそれが恋のスパイスになったり。
携帯電話も無いし、ネットも無いけれども、人とのつながりは現代よりも強いように感じる。
そんな古き良き時代の恋愛模様を見ながら少し羨ましく感じる私は古いタイプの人間かも知れませんね。(こ、これがオールドタイプと言うことか…。)
今観ると作画が古く感じますが、放送されていた頃では十分綺麗な作画だったのではと思いますし、この作品は大好きな作品ですので作画に☆5つ付けさせていただきました。
長くなってしまいましたが、それほど好きな作品ですので是非たくさんの方に観ていただければ嬉しく思います。
96話と長く、なかなかくっつかない二人のもどかしさに悶々とする日々が続くと思いますが、その過程があるからこそラストの展開で本当に感動することができます。
恋愛物やラブコメが好きな方にはオススメします。
これぞ傑作と呼ぶに相応しい作品です。