「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX[スタンドアローン・コンプレックス](TVアニメ動画)」

総合得点
92.1
感想・評価
5052
棚に入れた
21483
ランキング
25
★★★★★ 4.3 (5052)
物語
4.4
作画
4.2
声優
4.2
音楽
4.3
キャラ
4.3

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ネタバレ

ツキ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

他の機器に依存せず独立で動作する環境

作品を理解しようとすればするほど、どんどんとのめり込んでいける作品。それだけよく練られた世界観が存在し、尚且つこれほど作り込まれているアニメはそうそうお目にかかることはないんじゃないかと思います。
まあ何がどう面白いかと問われればアニメ玄人の方を納得させられるほどの理解は到底持ち合わせていないのでその点はご了承の程をw

一見複雑に見えるストーリーですがきちんと頭の中で整理をすればさほど難しくありません。今来栖の行政の私物化・私欲における不認可印から全てが始まり、アオイの告発文の発見やその後における行動。それらの「笑い男事件」を利用した警察の裏金問題と公安9課の捜査…。一般的な刑事ドラマによく見られる作りですが、本作はそれ以外の様々な要素がとにかく凄まじい。

全編に通じるネット社会の危険性への警鐘はもちろん、義体化・電脳化が及ぼす問題点を「電脳硬化症」という病気として取り扱う世界観のリアルさ。一方でそれらとは真逆の方向性を見せる個性と没個性に関する哲学的な要素や、スタンドアローンコンプレックスの概念。<独立した個人が見せる集団的行動>をスタンドアローンコンプレックスとした場合はGIGの個別の11人の方が分かり易く描かれていますが、どれか一つに特化することなくそれぞれの要素が「笑い男事件」を主軸に密接に関係しているのが本作が人気の秘訣かなと思います。未来的な世界観でありながらいつまでも変化のない人間の黒さを融合させたストーリーもなんだか皮肉ですね。

とにかくこれら一つ一つの要素が完全に、完璧に作り込まれているのでその分の情報量もハンパじゃない。それを詰め込める監督の技量にも感服だし、フィクションの近未来でここまで世界観を構築できてるともはや頭おかしいレベル。
特にタチコマに個の取得を議論させてるあたりはかなりいやらしい。これほど一つの作品を完成させているなら少なくとも製作サイドはこの議論に一つの解釈を出してるはずなのに明示はしません。勿論哲学的な要素に明確な解釈を与えるのはやぶからスティックなので当然と言えば当然なのですが、本作は他にも考えたいことが沢山あるので頭をからっぽにして得られる解釈を聞きたかったのが本音ですw まあ要は視聴者は術中にハマってるのかなと思います。考えることに没頭させるのが本作の狙いでもあり、そうして欲しいという意図も垣間見えました。

視聴者がどの要素に着目し作品を捉えるのか。それによって解釈も色々と出てくるし、どの視点から見てもやはり興味深いことは間違いなし。世界観からの考察だけでなく、キャラ視点でもまた違った見え方があるかと思います。少佐とトグサが一番違うのかな。トグサの青臭さは個を主張しやすいキャラクターであるけど、だからと言って全く人間性の違う少佐にも歴然とした個が存在します。単なる性格の違いであるはずが<電脳化>という一つの要素が個の在り方に疑問を投げかけてくれますね。

まあそんな具合であれこれ書いてるといつまでも終わらないのでここらで終わりますw
課長の独特なハゲかたには最初ビックリしましたが情報部出身とは言えストレスが多かったんだろうなと思いました。
ちなみに戦場の第一線で戦う兵士と同程度のストレスが伴う職業が教師らしいですね。命の駆け引きをする人間と同じとはおぞましい。だから先生ってみんなハゲてんだなと納得しました

投稿 : 2013/05/10
閲覧 : 332
サンキュー:

25

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