るぅるぅ さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
付け足したような展開で違った意味でヤキモキした;
全12話
ジャンル:SF青春ラブコメ オリジナルアニメ
霧島 海人が特別な女の子と出会い8mmカメラを片手に自主映画を作るひと夏の思い出。映画を作ってゆく中で彼女彼等の恋模様に絡ませた青春群青劇。
ジャンルを織り交ぜ過ぎではなかろうか。まず、ラブコメだが高校生の思春期特有の恋心に対して、巧く描かれているように見えるが薄い。中盤まで海人とイチカがお互いに惹かれながらも心の奥に秘めた想いを募らせ、幼馴染の木下に後押しされ両想いとなり一旦完結している。
その後追いとして、柑菜←石垣←美桜の三つ巴の片想いを並べているが・・・海人はその輪から弾かれ付け足しのように柑菜からダメ元で告白されただけで終わり。
その中で石垣が一人で苦悩し柑菜と海人をどっちも応援したいと切実に願った結果、柑菜が海人へ想い寄せる姿が好きだ という表現し最終的に素直に本音を伝えたことに満足し踏ん切りをつけた失恋。ほぼ一人で中途半端に掻き乱し行動面で勝手に自爆したとしか言えない。むしろ、群青劇という視点だけなら石垣が主人公といえる。ヒロインは美桜しかいない。
柑菜は特に質が悪い・・・正直、一番無神経なキャラで苛々した。海人に惹かれた理由が、両親を無くし逞しく微笑んでいた海人に一目惚れした想いが積み重なり、幼い頃から想いを寄せていた石垣に対する告白の返事も無く、柑菜は柑菜のままでいいんだ という言葉に甘え、海人にダメ元告白して終わり。石垣によって海人への想いを断ち切った失恋。また、石垣と美桜の関係について本気で理解していないのか、石垣に対して無神経な言葉を投げ掛け過ぎではないか、仮にも自分を好きになってくれた相手にその仕打ちのような行動は在り得ない。
美桜の家系が裸族という強烈なコンプレックスを持ちながらも石垣が柑菜に片想いしていると解りながらも勇気を振り絞り決断した行動力は、どのキャラよりも好感が持てた。美桜がキーパソンになっていた為に成り立っていた。
この三人は、素直に本音が言えない共通点に片想いを掛け合わせ、中学から築け上げた関係がイチカの存在によって綻び最終的に友情が深まったという結末だが・・・それは違うだろ;
なぜ、彼女彼等の青春に陰鬱な人間関係がないのかわからない。汚い部分が無い為、私は受け入れることができない。 片想いの切ない心情描写だけが甘酸っぱい青春なのか憤りを感じる。ただ、高校生という立ち位置を考えると争うことなく馴れ合いと解釈するなら充分なのかもしれない。
SF要素として11・12話で超展開の駆け足で再び海人とイチカに戻り、序盤に固めた二人の想いが引き離され、何かを見つけたいと想った行動が互いを結びつけ彼女彼等に忘れられない夏をつくった決別は、ノスタルジーとして心に焼き付いた想いだろう。 この部分だけ展開が浮いているので強引としか言えないが、エピローグとして描かれた部分も考慮すると「あの夏で待っている」とは、また特別な夏に会おう という解釈がノスタルジックな余韻を潰さずに良いのかもしれない。
タイトルは推測だが、未完成の映画を観た彼女彼等は色褪せない青春・恋心・あの特別な夏イチカへの想い馳せ付けたのだろう。 そして檸檬の力によってまた会うことができFINとして付け足した。