yahho- さんの感想・評価
3.1
物語 : 1.5
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
微妙なクォリティ
劇場版を端的に表すと「本編を見ていない人には全く楽しめない作品で、本編を見た人の期待にはこたえられない作品」という感じ。
本編ではかなりSF設定が作りこまれてて、いかにそのガチガチに練りこまれた設定の裏を掻きヒロイン二人を救うかに主点が置かれていたが、劇場版ではその設定をあやふやにした。完全無視とまではいかないまでも、本編で今作の設定をある程度理解した人ならば「あれ?この設定どこ行った?」となる事は確実。それどころか、劇場作品単体ですら矛盾が生じている(ネタバレ含:岡部がいない世界線の未来で生まれたはずの阿万音鈴羽が岡部を個人的に知っているらしい口調で話す。岡部を連れ戻すことを諦めたクリスがいる未来から鈴羽が来て過去を改変し、岡部を連れ戻したにも関わらず世界線の変動が見られない等)。
その上、映画のほとんどは主人公とメインヒロインの恋愛描写で、SF要素も主人公たちの恋愛を深める道具に成り下がってしまっている。
正直言うと劇場版単体で見ればそれ程悪い作品ではないと思う。「時をかける少女」みたいな感じの恋愛重視SFとして捉えると、そこそこ良作のような気もする。しかし本編がSFとしてあまりにも優秀だった為にそうとは見られない。本編の続編として作られ、本編を見ていること前提に話が進むのだからなおさらだ。
もしキャラクターやその相関関係を含め作品の全てが好きなわけではなく、純粋なSF物として観に行きたいという人ならば満足のいく結果にはならないだろう。