ローズ さんの感想・評価
3.6
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 2.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
飴細工や雪のようなふわふわとしたメレンゲを使ったお菓子のような甘い人生を期待するな!
女子大生の花(ハナ)が同じ講義を受けていた男性に興味を持つ。
やがて交際へと発展したのだが、相手の男性は狼男であった。
2人の間に第一子である雪(ユキ)と第二子である雨(アメ)が生まれたのだが、不慮の事故に遭い、狼男は亡くなってしまう。
花は2人の子供を自分で育てる事を決意するのであった。
親から子へ愛情を注ぐのは当たり前の事です。
子供の事を大切に想っていない親は、親としてだけでなく人間として問題があります。
親からの愛情を感じられないという人もいるかもしれませんが、
毎日3食用意してもらえることを当たり前だと考えずに親からの愛情の印だと解釈すれば自分が親から愛されていることを認識できるでしょう。
最近では、幼児虐待や育児放棄(ネグレクト)などの社会問題があるそうですが、
一部の親だけを取り上げるのは見出しがバツグンのニュースになるからという理由もあるかもしれません。
そのようなバカ親を最低な人間だということは否定できないのです。
自分らしく生きるというのは案外難しいものです。
自分の夢を叶えたり、やりたい事だけをして生きていくのは、ごく少数です。
とあるブラックな内容の漫画なのですが、日本人の子供の夢を全て叶えたら日本が世界で一番貧しい国へとなってしまった、という話を読んだ事があります。
子供の頃に憧れた職業(例えばプロ野球選手など)に必ずなれるのであれば、日本のホワイトカラー・ブルーカラーの仕事をする人がいなくなってしまいます。
子供を守るための選択をした花、人間として生きていく事を選択した雪、狼として生きていく事を選択した雨。
どのような生き方を選択し決断したとしても、最終的には自己責任でしょう。
人間の親の立場として人間らしく育って欲しいという花の願いは理解できますが、
雨は普通の人間ではなく狼としての側面も持ち合わせているので、狼としての大人の判断を責める事はできないです。
普通の人間の子供であれば躾によって人間らしい育て方ができるのですが、
普通ではない子供だったので仕方が無いです。
(普通の人間でも躾のできている動物よりも性質の悪い行動をする人間もいるのですが^^;)
本作品は、親子間の愛情と現代日本での自分らしく生きる難しさが主題であると思いました。
単純な娯楽作品ではないです。
だからといって敷居の高い作品でもないので、あまり考えずに視聴するのもいいかもしれません。
ただし、俳優さんを声優に起用するのは再考してもいいかもしれません。
(一部の俳優さんは除きます)
【補足】
DVDの場合ですが、日本語字幕を設定できるようになっています。
聴覚障害の人にも楽しんでもらえるように配慮した制作者側の優しさが伝わってきますね。