景禎 さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
熊野古道、陰陽師、修験道、世界遺産がキーワードの和風ファンタジー
地味なヒロインやヒロインの周りのイケメンキャラ達から、一瞬、これは乙女ゲー原作ものか?と思うかも知れませんが、それは勘違いです。
荻原規子さんのファンタジー小説が原作です。原作未読です。和風ファンタジーのテーマと、世界遺産というキーワードを、現代の高校生の生活の中で描かれています。和風ファンタジーと言えば、古くは「もののけ姫」、最近では「新世界より」があり、ざっくり言えばそういう日本風の雰囲気を持った作品ではありますが、熊野古道、陰陽師、修験道といった内容を扱っているこの作品は、今までにない独特の雰囲気を持っています。序盤は奈良県十津川村がモデルになっていると思われるので、地域振興アニメかと思ったけれど、中盤以降は舞台が八王子市近郊に移ったため、それはない。
登場人物が多いため、さらっと見ただけでは混乱してしまいます。アニメの尺の都合があるとは思いますが、キャラの個性もなかなか表現され切れていないのが難点です。私はカッコいいキャラより、残念キャラが好きなのですが、そういうキャラはいない・・・かな? そこは残念。しいて言えばメインヒロインの鈴原泉水子のどこか抜けている性格は好きかな。
小説原作のアニメ化作品に共通して言えることですが、アニメ化に伴って省略された箇所が(たぶん)あるため、あちこちに展開の分かりにくい箇所があります。結局私は最終回で「え?もう終わり?」のような感想を持ってしまいました。物語の落としどころが見えません。1回通しで見たぐらいでは分からないのかも。でも、もう一度見直す気力もないし。ひょっとすると原作既読が条件かも。
P.A.WORKSの作品らしく(?)作画がきれいで、日本の風景が美しく描かれていますが、戦闘シーンはちょっと残念。(P.A.WORKSは戦闘シーン苦手だっけ?)
音楽は、OPもEDもGoodです。とくに伊藤真澄さんのED曲は個人的にとっても波長が合います。カラオケで歌っても気持ちいいことこの上なし。