三崎鳴 さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
欝アニメと敬遠するには勿体無い
鬼頭莫宏原作漫画作品「ぼくらの」を原作としたアニメ。なお原作は第14回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。アニメ版では放送当時原作が未完であった為監督が原作者から原作の設定を資料として得た上で独自の解釈を加えてアレンジしたもの。阿野万記編までは原作に忠実にストーリーを構成しているが主に後半の展開は完全にオリジナル。しかしこれが主に本作の批判材料として筆頭に上がっている。何せ監督が「自分は原作が嫌いであり悪意を持って自己解釈した上でアニメーション化している」と語る。監督がここまでブログで語るというのはある意味凄いのかも知れないがこのような行動はタブーではないのでは?と個人的にはどうしても感じてしまう。この問題を抱えているものの内容自体は原作未読者の自分にはある程度楽しめるものだった。原作既読者には薦められないが未読なら一定の水準で楽しめるのではないか。
自然学校で集まった子供たち15人はロボットを操縦し地球を守る「ゲーム」に巻き込まれる。しかしそれは単なるゲームではなく現実に人類の命を守り、自分の命をかける戦いの始まりだった・・・。ストーリー設定のインパクト性はかなり高い為序盤はあまり退屈しないが雰囲気に慣れを覚えてしまうと後半はマンネリ化してきて退屈になってしまうかもしれない。心理描写が若干現実離れしているかもしれない、と自分は感じた。まだ学生の身分なのに達観しすぎている、自身が死ぬことに対して何も抵抗がないのは神経を疑う。又大人達が介入しすぎていた,そこまで上の政界が動く筈が無い。アニメ版だけ見る分には見て損は無い。ただ序盤の展開に引き込まれたなら原作を読むことを薦めたい。一つ誤認してほしくないのが、本作は決してロボットアニメでは無い事,この一点に限る。最終話付近の展開は少し無理矢理感が否めない,何も報われてないのに表面だけいい話にしようと見せてる分安っぽく見えてしまう。少し暗めの内容なので見る人を選ぶ作品ではある。