メルヘン◆エッヘン さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
インセストタブーに向き合った、真摯な作り込みの作品。エロゲ出身と避ける必要なし。
全年齢対応であるわけがないのは当然としても、基本的には、インセストタブーに真摯に向き合った作品であると考える。
(アニメなので評価としてはこれについては甘くする。きりがないので)
■誤解してほしくないポイント
ゲームのストーリーラインを用いているため、複数女性との関係が語られるが、それは孤立した世界なので、それぞれ違うわけだ。リニアな物語なので、かの「伊藤誠」君とは大きく違う。そこは勘違いせずに観てほしい。
■コアとなるストーリー
純粋にヨスガノソラを物語として読みとこうとした時、引かれあう二人とその障害という、単純図式に置き換えると理解しやすい。障害物は、規範・法律であったり、世間の目であったりする。後者は、同級生の委員長のコトバに代表されるだろう。
そして、引き合う二人を否定できない気持ちは、幼なじみの「奈緒」が12話最後で代弁してくれる。
答えがあるわけではないストーリーだけれども、ともに生きることを選択した、ハル、ソラのふたりに、幸せがもたらされんことを。
※もっとも、他のルートを廃し、ハルとソラにフォーカスしたリニアな12話だとさらに深みは描けた気がするし、それを見たかった。逆に言えば、物足りなかったというのが正直な気持ち。深みが出ていないというか。さらにいえば、テーマは古典的だが、そこがマイナスになるわけでもない。女の子と仲良くなり親密になるだけなら、どこにも新味はないのだから。
■蛇足
さまざまなタブーは特に近代以後の人類社会には明文化されて存在する(それ以前は不文律的なもの)。インセストタブーをタブー視しないのは、権力者の特権でもあったわけだし、いとこレベルであっても、国よって禁止されていない国もある。日本がそうだ(実は緩い)。国によって違う、男系と女系で違う民族もある。未開だろうが文明化していようがその差は大きくはない。(興味のある方は文化人類学の専門書をどうぞ。大学の時なので忘れた。当然ですが、医学的な観点については他の学問分野です)