景禎 さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 5.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
わたし気になります!!
米澤穂信さんの推理小説、古典部シリーズのアニメ化。推理小説といっても、殺人事件ではなく、日常に潜む謎を解明する学園ものです。
対象が日常の謎であり、物語としては派手な展開はなく、会話中心の地味なものなので、普通に考えてアニメには向いていません。そこをあえてアニメ化して、それなりに見せてしまうところは、さすが京アニといったところです。
全体の構成は、複数回にまたがる大きな話が3つと、1話完結ものがいくつか。
原作が会話中心で地味なので、推理の場面では、推理の内容をビジュアル化してみたり、アニメ化にあたっていろいろ工夫されています。しかし、この作品のすごいところはそこだけではありません。
まずOPがすごい。ちょっと見では気付かないかもしれませんが、よく見るといろんな発見があります。ちょっとしたカットでもヌルヌル動いている。通常、アニメのOPは静止画をパンしたり重ねたりする手法がよく使われます。もちろん氷菓のOPでもそういう部分はありますが、どのカットも計算し尽くされた結果です。なので、OPだけでもひとつの素敵な作品になっています。
本編ではさらにすごい。作画が美しいのはあたりまえ。ちょっとした会話のシーンも、登場人物の性格や気持ちを表現するための様々な工夫がなされています。たとえば、頻繁にアングルを変えたり。背景に動く生徒たちがそれぞれ意味のある動きをしていたり。光や陰の巧みに表現されていたり。つまり、登場人物の周りに広がる一瞬一瞬の空気が表現されている。
さすが京アニ、プロの仕事!!
音楽もいい。OPやEDはもちろん、BGMもさりげなくクラシックや生オケのオリジナル曲が用いられています。贅沢です。
作品をじっくり鑑賞したい、そういう大人の鑑賞に、このアニメは120%答えてくれます。