disaruto さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
「僕が君を殺そう」。殺人で結びついた純愛ラブストーリー
制作はufotableで原作は奈須きのこ氏の小説です。
ジャンルは伝記ファンタジーです。
全8巻あるうちの七巻目が「殺人考察(後)」になります。
結構グロ描写がありますがここまで見た人なら何の問題もないです。
時系列では七番目になります。
第二章を中心に、すべての章の話がつながっています。
最後の最後まで作画・音楽が素晴らしかったです。
今回の作画の見どころは「雨」と「よだれ」でしょうかw
音楽は完全に泣かせに来ている挿入歌・BGMにまんまとやられ、うるっとしちゃいました。
迫力ある戦闘シーンは健在。
この章では四年前と同一人物に思われる通り魔が起こるところから始まる。
式・幹也ともにそれぞれの方法で真相にたどり着く。
以下考察。
{netabare}白純は第二章で式に惚れてしまいます。
彼は式に「弱い」と言われ、その日に殺人を行います。
殺人をすることで自分も殺し、孤独となったがために、狂人の仲間が必要であると彼は考えた。
そこで彼は式を殺人鬼として覚醒させようと画策します。
彼の愛情は、自分が孤独から逃れるためだけのものです。
かわって幹也の愛情は「式と二人でいたい」というもの。
「いつか同じ場所にいられるよ」
「君の代わりに背負ってやるって。夏の終わりに行ったろ。僕が君を殺そう。」
幹也の愛情は、式を孤独にしないためのものです。
第三章でも登場した「殺人」と「殺戮」の違い。
「殺人」は人を殺した意味と罪を背負う。
「殺戮」は意味もなく人を殺す。
今回登場する白純はどちらにも属していない。
式を復活させたいという意思を持って人を殺すが、その罪を認められない「逃亡者」と幹也は言います。
逃避については第一章に出てきていました。
第四章でいきなり式が病院に連れられていた理由も明かされました。
「織」が自分から身を投げたということです。
殺すことでしか人と関われない「織」は、幹也を殺せないと悟って自分を殺した。
「夢」を守るために。
これがこの章で示されたのは第六章の「忘却の再生」という伏線からでしょう。
加えて「織」の行為は第一章の「飛行」と「浮遊」につながります。
ラストシーンで式の一人称が「私」に変化したのが非常に印象的でした。
昔の「織」も今の「式」も、すべてを受け入れて、人生を幹也と歩むことを決めたのですね。{/netabare}
ラストシーンの演出は尺も相まって若干冗長に感じましたが、ツボをしっかりと押さえていたとは思います。
とてもきれいで、しっかりと〆た、素晴らしい(実質)最終巻だったと思います。
グロ耐性があるならば、ぜひ全巻見てもらいたいです。