plm さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
なんだかんだで子供向けアニメかな
「電脳(コンピュータ)」「ネットワーク」「拡張現実」こういうワードに関心がある人には適役。
現代の科学技術の延長線上にあるような、近未来の市と小学生たちを描いたSFストーリー。
作風としては、トトロや千と千尋などのジブリ作品を彷彿させるような、未知の出来事との遭遇、
コミカルさと差し迫る緊迫感を併せ持つ追いかけっこや攻防戦、そして迎えられる試練などがある。
謎やシリアス、ホラー要素も散りばめられており、感受性の強い人ほど影響は大きいかもしれない。
個人的には謎を追うパートよりも11,12話あたりの短編が映像的にも展開的にも面白くて好きだった。
□電脳コイルは「大人向け」作品? 多少ネタバレ込み
{netabare} 設定こそ大人好みのものであるとはいえ、内容を見れば子供向けに作られていると思う。
例えばよくある展開、やばい、逃げろ―!→びびびー→間一髪!なパターンが結構多いのだ。
話の流れでも、うろうろ迷いながら何かを探す、誰かが危機的状況に陥るなどの展開がほとんど。
思いのほか単純な構成になっているので、少々退屈なぐらいだった。
そこを楽しめるかどうかは、より感覚的に享受できる子供の頃のほうが合っていると思う。
メタタグやヌルなどの不思議現象も純粋な気持ちで観れた頃ならいろいろ感じれそうだ。{/netabare}
□作品が取り上げていたメッセ―ジ性は何だったか? ネタバレ込み
{netabare} 電脳メガネを、パソコンやケータイに置き換えてみると、想像しやすいかもしれない。
インターネットが普及して、現代においても電脳の世界に依存している人は増えていると思う。
しかし外側から見れば、非現実への逃避・余計なことで病んでいるかのように見えることもある。
ヤサコ母の言う「実際の目に見えるもの、触れるものを信じなさい」はそこから来ているのだろう。
けれどもヤサコはそこで踏み止まらなかった。実際に今抱えている胸の痛みこそが信じられた。
電脳空間は触れられるもの・リアルではないけども、そこには人の意識・感情が投影される。
触れられないものだからと割り切れない影響力がある、と伝えられているのではないかな。{/netabare}