こたろう さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
戦国仮想戦記-萌え入り-
もうね、戦国ナントカには辟易です。
っていうかね、ブームに乗っかって武将の女性キャラ化って発想が安直なんですよ。これで何番煎じよ?
結局、その人物の有名な特徴だけ拝借して、好き勝手にキャラとストーリー創ってるものばっかりじゃん。
ああっ、もう!飽きた飽きたぁ!
・・・・と、思って視聴しましたが、これは戦国仮想戦記でした。
確かに姫武将という設定は萌えキャラのためのもの。
ですが内容は、歴史の中で「もしも、ああなっていれば・・・」「あそこで違う決断があったなら・・・」
をシミュレートしたものになっています。
女性が武将をしているのも、もし家督を女性でも継げる世界があったら・・・という仮想なんですよね。タテマエはw
へんな先入観があっただけに、いざ視聴すると意外と面白かったです。
主人公は、この歴史改変の牽引役として存在します。
豊臣秀吉に成り代わり、織田信長・・・じゃない、織田信奈に付き従い行動を共にする存在。
しかもタイムスリップしてきた戦国(ゲーム)マニア。従来の歴史をよく知る人間として活躍をみせます。
はい、どこかで聞いたようなよくある設定ですよね。
そうです。こんな設定や物語に目新しさはありません。正直、主人公も特徴に乏しくイマイチ。
ですが、よく聞く設定というのはそれだけ再利用される魅力があるというのも事実。
新鮮さこそありませんが、物語としては王道的にドキドキワクワクさせるものがありました。
意外と真面目に戦略や政(まつりごと)、経済も扱っていて、基本は骨太な内容です。
あり得ないコメディチックなエピソードも入っていますがそこはご愛敬。
そもそも、主人公の存在が飛び抜けてあり得ないものですから、多少の無茶でも違和感はありません。
さらに加えて、萌えです。
天下を狙う武人としての一面をみせつつも、可愛らしいツンデレキャラとしての要素も含んだのが織田信奈。これはなかなか良かったし、本作の最大の強みといえるでしょう。
破天荒で豪気にみえて実は実直で生真面目。主人公には弱さを垣間見せながらも気丈に振る舞い、ときに愛情を含んだ信頼の言葉を寄せてくるのですよ?
こりゃもう、強烈ですってば(〃'▽'〃)
他のキャラは面白味がありませんが、さすがヒロイン。信奈は(萌えキャラとして)すっごくいいキャラでした。
・・・・あんまり活躍しないですけど(^。^;)
ただ、この「活躍しない」ってところが曲者です。
女の子としては、とってもいいのでですが、信長キャラとしては弱すぎるのが難点。
確かに戦いでは、中心になってチャンバラもやりますが、天下人の威厳、只者ではないという人物像の表現が足りていない。武将としての魅力が今一歩です。まぁ生半可なキャラじゃ”信長”なんて役者不足になるのは仕方のない事なんですが。
桶狭間の合戦あたりまでは奔放な見所もいっぱいあったのに、後半でだんだん普通の人になっていった感じです。
歴史ものとしては掘り下げが足りず、B級感は否めませんが、萌えどころの見せ方はとてもツボを押さえた作品。
キャラデザは可愛いし作画も安定していて声優も粒が揃ってます。
いろいろと細かいところに突っ込まなければ、ストーリーとしても、そこそこ楽しめる娯楽性あり。
第一印象の悪い予想を裏切ってくれたのは嬉しい誤算でした。
数ある萌え戦国作品のなかでは硬派な方だと言っていいでしょう。
「萌え」に「硬派」をつけるのもヘンですがw