おふとん さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
これを観ずしてジオンを語るなかれ!
宇宙世紀もののガンダムシリーズの中でも1、2を争う傑作として名高いOVA。
特にジオン軍ファンにとっては『聖典』とでも呼ぶべき作品。
本作品におけるジオン軍人はガトー少佐を始めデラーズ中将、ビッター少将、カリウス軍曹から一兵卒に至るまで、信念と大義に生きる熱い男として描かれています。
(え?ジオン軍でもシーマ艦隊のアウトローな面々は違う? 磯臭い海兵隊の連中にジオンの大義は理解できんのです。)
小兵力で強大な連邦軍を奔命に疲れさせ、作戦完遂を目指すジオン軍・・・輝いてますね。
名無し二等兵にすら「この海(宙域)は哭いているのでしょうか・・・我々に何かを訴えたくて・・・」
などと言わせてしまうぐらいなので、ガトー以下芝居がかったセリフ連発、胸焼けしそうです。
一方の連邦軍、ヘタレ主人公コウ以下完全にやられ役、ジオン軍の引き立て役に過ぎません。
アルビオン隊はシナプス艦長とバニング大尉を除き薄っぺらいキャラばかり。
こいつらがどうでもいい小話で視聴者をイラつかせ、
否が応にもジオンパートへの期待を盛り上げてくれます。
連邦軍上層部もコーウェン将軍以外は悪人面の無能者揃い。
勿論しっかりとジオン軍の術中に嵌って、いいように踊ってくれます。
要するに、建前上は他シリーズと同様に連邦軍に主人公を置いて、ジオン軍にライバルを置く形を取っていますが、実質的な主人公はジオン軍のガトーであり、彼の真っ直ぐで揺るぎない生き様を描いた、ジオン軍の物語が本作品なのです。
「男たちの魂の輝きだ…」ラスト近く、ジオン軍(アクシズ艦隊)将校が呟くこの一言が、この物語がジオンのものであるという証明なのですよ。
以上、明らかに一方に肩入れしすぎた、偏ったレビュー(らしきもの)でした。
追記:
ニナさんの件でこの作品の評価が下がっているのは残念でなりません。
よくも名作に泥を塗ってくれたものです(`・ω・´)