ちゃぶ台返し さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
おじさんは泣けたんだよぅ(TT)
新海誠監督作品「ほしのこえ」が大好きな割にずっと観る事が適わなかった「秒速5センチメートル」に初めて触れたのは、2009年3月にNHK BSで放送された時だった。しかも途中も途中、最終章から見始めたのだが、この僅か10分強の映像を見ただけで夢中にさせられてしまう凄みを確かに感じた。切なすぎる。だが、それが良い!! 山崎まさよし「One more time , One more chance」の選曲とこれ以上ないほど効果的な挿入、背景の緻密な描写に相まった天門の静かな音楽や過去の新海作品に共通した映像演出も含め、素晴らしく良かった。テーマは「ほしのこえ」と同様に、互いの意思に反して離れ離れになってしまう若い2人を描いているものだったが、あの踏み切りでのラストシーンで各人の評価が極端に分かれてしまう事を幾つかのサイトを回って知った。
> 男はいつまで経っても過去の恋愛・遠くの恋人を引きずって
> 人生に失敗しているのに、一方の女はさっさと結婚ですから
> ねぇ~。最後奇跡的に出会っても女はさっさと逃亡。そりゃ
> 気まずいだろうけどね。 (アマゾンレビューより抜粋)
……コレ↑などは、物事の表層だけを捉えれば確かにそうなのだろうけれども、違うだろうとw 他にもそういう考えもあるんだなぁ~と再認識する意見もアリでなかなか興味深いものがあったのだが、もしかしたら、この作品は各人の過去に於ける千差万別な恋愛経験(というか手痛い失恋経験の有無)の違いで見方が180°変わってくる作品なのかもしれないね。故に、このラストには物凄く共感出来てしまうのだが。ハッピーエンドで終わる事が、必ずしも物語としての最良ではない事を示す良例。泣けた。