モヤモヤ さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
洋画のような爽快さが味わえるアニメ
本作は1930年頃のイタリア系アメリカマフィアを取り巻く群像劇アニメです。
前知識もなしに1話を視聴したため、内容をほとんど理解できずに最初は戸惑いました。
それもそのはず、本作は登場人物が非常に多く、更に時系列をシャッフルした方式によるアニメのためボーっと観ているとシナリオについていけずに置いてけぼりを喰らいます。
公式ホームページを観て人物関係を大雑把に確認してから再視聴したら内容も分かってきて一安心でありました。
この作品、シナリオの見せ方やカメラアングルが非常にドラマッチックでカッコいいです。原作者の成田良悟さんは洋画界のカリスマ、ガイ・リッチーに影響を受けているため、ガイリッチー作品を意識したとのこと。納得です。
そんな影響もあって、カメラワークであったり音楽の使い方は見事なものでした。時系列をバラバラにした手法も謎が解明されていく楽しみをうまく出せていると感じました。
ただ、気になった点がいくつかありました。
まず、私がマフィア映画好きなためなのかもしませんが、設定をうまく活かしきれていないと感じた事。
カモッラという実在するイタリア系マフィアの名前を使っておきながら、マフィアらしさが全く感じられません。
同じように1930年代の舞台背景や使用する銃器、鉄道なんかも反映することなく形だけだったのがマイナスでした。
細かいことを言えばきりが無いですが、イタリア系移民があまりに軟弱に描かれていたのが悲しかったです。
とはいえ、題名のBaccanoは「馬鹿騒ぎ」という意味だそうで、細かい事は気にせずアクション映画のように展開を楽しむのがこのアニメのスタイルなのかな。