りく さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
掴みは抜群!心を読めてしまう少女の青春を描いた作品
生まれつき心を読めてしまう少女と、そんなことを気にもしない少年の恋を中心とした物語ですね。
とにかく1話の掴みが最高でした。琴浦さんが絶望のどん底に転がり落ちる様子を描いた前半でグイッと引き込まれ、真鍋との出会いによって世界が色鮮やかになった瞬間には一気に期待が膨らみました。
孤独な少女にためらいなく歩み寄る少年。ありがちと言えばありがちですが、心を読むという超能力設定、絶望と希望の切り替えの上手さによってガッチリ視聴者を掴んだと思います。
中盤は打って変わってコメディ調になりましたが、なぜかほとんど覚えていないです。楽しんで見ていたはずなんですが、シリアスな場面の思い出が強くて印象に残らなかったのかな(´・ω・`)
終盤は{netabare}連続通り魔事件を軸にストーリーが進んでいきました。どうやら原作とは少し違っているようで、何の捻りもなく警察官が犯人だったのは拍子抜けでしたねー。絶対警察官はミスリードで犯人は別にいるんだろうなと思っていたので。
そして何より、この事件に尺を割き過ぎて、母親との和解が最終話の一部であっさりと済ませられたのにはかなり失望しました。個人的に母親との和解はこの作品の一番の山場でありクライマックスだと思っていたので、もっとじっくりやって欲しかったです……。{/netabare}
全体を通して残念な点としては、「軽さ」が感じられる作風だということが挙げられます。内容は間違いなくシリアスなのに現実味がないような印象を強く受けました。空気感が軽いというか、突き刺さり具合が浅いというか……。{netabare}森谷の襲撃・和解、通り魔事件、母親との和解{/netabare}など、せっかくのシリアス成分が十分に輝いていなくて少し残念です。
題材的にもう少しシリアス強めの路線で行った方が面白くなったんじゃないかなぁというのが正直な感想ですが、1クール楽しませていただきました。
結構いい感じに終わってしまったので2期があるのか分かりませんが、あったらぜひ見たいと思います。