メルヘン◆エッヘン さんの感想・評価
4.0
物語 : 5.0
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
出色の出来です。1話だけでも観る価値あり。パーフェクトな作りの1-4話でした。
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1話で完全に引きこまれた。冒頭からガツンときた。
ヒロイン<琴浦さん>の出自が明らかになり、現在のいびつな表面的人格への道筋が語られ、ヒロインの転換点にたどり着く−−−−眞鍋くんとの出会い----そして、物語が幕をあける。(ここまで11分)そして、対照的なオープニングがはじまる。
なんという見事なシナリオと演出だろう。濃密な冒頭1話で、背景、ヒロインの転換点、そして展望と凝縮されたストーリーが流れていくのだ。冗長な展開だと飽きてしまったかもしれない。これは1話「で」完結できた。
シナリオ教科書にでてくるような(たとえば旧い映画でいえば「チャイナタウン」とか、王道ハリウッド流)、省略すべきを省き、描くべきを描いており、首ったけになった。
余談です。{netabare}
超能力者が迫害されるというモチーフは、実に陳腐で60年前の海外SFからある話(「スラン」という名作もある)で、ありがちだけど自分的には好物だ。こうした基本的な枠組使って現代日本アニメで作り上げたことには敬意を表してもいい。
逆に言えば、超能力/異能にフォーカスした日本のアニメ水準は低かったと言わざるを得ないのだ。それを確実に、高みに押し上げたという意味でも絶賛するのである。(もちろん、そうでない作品もあったのかもしれないです。もしドラマとして描き切れたものがあれば、知りたい気がします。パクリでないもので。){/netabare}
さて、この作品は、完成度の異常に高い1話で終わってもよかった。2話で終わってもよかった。ネタではありません。最初の4話で終わってもよかった。とても完成度の高い前半だったのだ。だから、時間のない人は1話だけ。観てください。
軽く眺めてみた限りでいえば、原作を踏襲して作るとこうはいかなかっただろう。バックグラウンドを1話に詰め込んだ、シリーズ構成は大成功といえる。拍手喝采だ。けいおん!のアニメ化なみの制作側の努力のたまものである。(ほんとうにそう思う)
※以上のコメントはすべて1-4話についてのもので、正直にいえば、5話以降は中だるみです。とはいえ、1-4話だけでも絶賛されるだけの理由と価値があるでしょう。(5話以降はみなくてもいいかも。みないほうがいいかも。(^0^;) みないほうがいいです(本音)。)
ちなみに作画やキャラデザは好みではないのにもかかわらず、内容のすばらしさに打ちのめされたのでした。