disaruto さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 3.5
音楽 : 5.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
圧倒的な映像・音楽。中二病的世界観で紡がれる奇怪伝記
制作はufotableで原作は奈須きのこ氏の小説です。
ジャンルは伝記ファンタジーです。
このサイトでよく名前を見るのに加え、続編が制作されることを知って見てみました。
全8巻あるうちの一巻目が「俯瞰風景」になります。
若干グロいので視聴の際には注意が必要です。
あと一巻だけだと本筋が見えないので以降も見る必要があります。
調べたところこれは時系列でいうと4番目みたいですね。
圧倒的な映像美と緊迫感あるBGM・SEが売りだと思います。
作品全体にやたらと緊張感が生まれており、特に戦闘シーンの迫力は群を抜いています。
OPがなんとなく「ひぐらし」っぽいと思ったのはきっと私だけ。
ストーリーについては導入なので置いてけぼり感はしますが仕方ないですね。
その分視覚・聴覚で補ってもらうよう、演出がしっかりとして
いた印象です。
とあるビルから身投げする事件が多発する。
これに共通性を見出した式と橙子は事件の解決に動き出す。
以下考察。
{netabare}高いところからの風景は「遠さ」を連想させ、世界を隔てる。
見下げているより広い風景に憧憬を抱きながらも、現実で実感できる狭い空間を受け入れるしかない。
しかし広い風景も認識できている自分が、どちらの側にいるのかが、憧憬と現実の「境界」において、理性と実感がすり減ることで分からなくなってしまう。
そしてより楽に自分の存在を受け入れることができる方法である「自殺」を行ってしまう。
無関係の人を自殺させた罪の意識と、霊体を殺された時の衝撃をもう一度味わいたくて霧江は自殺する。
一時の勇気を振り絞り、この世から逃げるために行動した。
彼女には罪を背負う強さがなかったのですね。
「浮く」のをやめて「飛ぶ」ことを選んだ。
目的のない逃避は「浮遊」であり、目的のある逃避は「飛行」である。
最後の幹也の霧江を連想させるセリフは印象的でしたね。{/netabare}
50分程度の短い作品ですが良くできていたと思います。
[全て視聴し終わって]
{netabare}この第一章の「浮遊」と「飛行」という考え方は第4章の「式」に、そして第7章の「織」にかかわってきていました。
また、霧江は第5章の事件につながる「刺客」として荒耶に送り込まれたということでした。{/netabare}