るぅるぅ さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
求めているモノと出来上がったモノの差
作品としては、SFヒューマンドラマでメッセージとして訴えかけるものは伝わってきた。
そのテーマも未知との対話から共存共栄を目標に人類の新たな道を切り開こうぜ!
と、主人公のレドが辺境の星へ辿り着き異文化コミュニケーションから学び考え人として成長してゆく物語。
内容としては悪くないが10話以降その展開にするのか・・・と、虚淵さんらしくない路線で締めるのかと、それでも最後まで何があるか分からない想いで観たわけだがショックの方が大きい。
作品としては良かったが、虚淵さんとしては凡作という評価になってしまう。
私が想う虚淵さんの良さは、一言で表すなら鬱要素。
ゲームから知っている方なら、これしかないと想う。
それが死だったりトラウマになるような事柄だったり、何かしら鮮烈な暗さが濁り光っている。無駄な鬱要素を見せ付ける意味では使われていない。展開として必要だから入れる。
ただ、その良さが全く活かされていない。
正直なところ虚淵さんが脚本する必要があったのか疑問に感じた。
唯一、鬱要素と成り得るシーンは、ヒディアーズの正体だけではないだろうか。 この先の展開に期待していたが、ヒディアーズは自ら生物の繁栄として望んだ形で進化し、銀河同盟は人としての尊厳を重視した進化の末に機械文明に足元をすくわれ意思とは関係なく争うことに繋がっていたという方向性に収束する。
どちらも知性の欠如によって、より強い者が淘汰する進化の過程へなぞられる。 それが人としての尊厳の欠如でもある。
1つの方向性として、ヒディアーズの正体を知ったガルガンディアの心境変化を見せ、神が人であったという事実から共存の道を模索する展開でも良かったのではないだろうか。サブキャラも活かされていないことから、ヒディアーズとのコンタクトによってエイミーがヒディアーズに取り込まれるとか色々と使えたと想う。そして命の尊さといったメッセージを織り込むことも出来ただろう。
と、私の不満ですね・・・。