HG anime さんの感想・評価
4.4
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
自然と文明の確執と協調
この作品を一言でいうならタイトルのようなものだろう。生き物は自分の存在をこの世に在らせるために努力せねばならないということだと思う。「家の隣の林から邪魔な枝が伸びてきたら切る」そんな単純なことでも同じことがいえる。登場人物のなかで対となる人物が「エボシ」と「アシタカ」である。エボシは神にすがらない現実主義者であり文明を発展させるには欠かせない存在である。このような人物が現実にもいたから人類の文明は大いに栄えているともいえる。対してアシタカはエボシ同様に人類を愛しているが自然に謙虚であり、「家の隣の林から邪魔な枝が伸びてきても家が壊される限界まで切らない」人物である。そして、自分や人類の存在を是とするために努力をしているが、同様に自然に対しても同じように努力し、共存するよう模索する。人類と自然がこの世に存在する限り生じる確執と協調を描いた作品である。中学生以上ならこの作品による啓蒙も捗るのではないだろうか。