じょー さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 5.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ハイ、おじゃんでございますっ
声優陣が豪華絢爛で、萌えアニメかなと思って見始めたのですが、、
大正時代を舞台にした女性の野球チームの話、主人公の一人、晶子の許嫁との確執が元で、親友の小梅と共に、野球チームを作ろうと奮闘。序盤はチームのメンバーを増やしながらチームを結成させ、練習試合で宿敵に'挑み惨敗。中盤から本格的に練習を始め再挑戦するまでのお話。意外や意外王道スポ根野球アニメでした。
少しの恋愛、少しのお風呂場サービス、少しの百合はありますが、女性キャラアニメと侮ることなかれ。野球を経験されていた方は分かるかと思うのですが、これは本格的野球アニメです。スローイングのモーションや、捕球動作など、初心者の動きと、経験者、もしくは成長後のモーションがきちんと分けて表現されています。例えばスローイングなどは、どうしても初心者の投げ方だった晶子が、魔球を投げる頃には、サイドスローから肩、肘、手の順に順番に前にでてきて捻る動きで、成長の様子が描かれています。また魔球と表現されていたナックル球筋、最終戦の一二番の転がすバッティング、センターからの環のクイックモーションでの中継、小梅のホームでのスライディング処理など、普通の野球アニメでは、なかなか表現できないことまできっちり描かれていました。
小さい時間の短縮に注目する、サードコーチャーの滑り込み動作、内野陣のカバーリングの動きなど、見えない小さな動きまで、”野球”していました。多分制作者は、経験者か、少なくとも野球を愛している人たちによって作られているなと感じられます。
チームの核になるバッテリーの主人公コンビ、経験者の雪と環、頼れる四番巴とその双子の妹静、巴を慕う一年生、外国人監督。野球漫画には欠かせない、チームの頭脳、陸上部からスカウトした韋駄天1番センター。キャラクターも野球アニメらしく確立されていました。どうしてもキャラが多くなってしまいがちなのですが、それぞれのキャラが立っているだけに、少し時間不足かなと言う印象を受けました。
ストーリーの構成も12話で無駄なく構成され、綺麗にまとめています。ただ、小さくまとまって、インパクトという点では少し足りないのが、注目を集められなかったところかと。この手のスポ根が苦手でない方は楽しめるかと思います。
大正という時代は、ある意味日本が最も輝いていた時代だと思います。明るい世相、和装から洋装への変換期、女性の社会への進出などの時代をきちんと反映していたのではないかと思います。作品通して希望に満ちて明るいトーンに仕上げがったのは、この時代設定も一躍をかっていたかと思います。そして大正女性達のおしとやかさの中にある強さもこのアニメの魅力かと。
声優陣は豪華です。メインに伊藤かな恵さんと中原麻衣さん、サブに、甲斐田さん、僕の麻美子、新井里美さん、キタエリさん、広橋さん、後藤沙緒里さんなど、一線級の声優さんがそれぞれいい味を出しています。
が、やっぱり一番は「おじゃんでございます」このシーンだけで、何度巻き戻してみたことか、能登さんの声が大正時代のお嬢様の級長さんのイメージにぴったりで、これだけでおなかいっぱいでした。Youtubeやニコニコにもアップされていますので、是非ご覧ください。能登教団に入信したくなること請け合いです。
二番セカンドは、昔の自分のポジションであるせいもありますが、宗谷雪、(黒?髪ロング)が一番のお気にいりです。もちろん一番の理由は、心の嫁です。