「惡の華(TVアニメ動画)」

総合得点
65.0
感想・評価
1147
棚に入れた
4513
ランキング
3551
★★★★☆ 3.2 (1147)
物語
3.4
作画
3.0
声優
3.3
音楽
3.4
キャラ
3.2

U-NEXTとは?(31日間無料トライアル)

りぃたん さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

あなたの廻りに仲村さんのような人はいませんでしたか。 できれば、原作を読む前に見て欲しい。 筋の通った上質な一本。

久々に、原作者と監督の、言いたい事に筋の通った上質な作品に
出会えた感じがします。

ここでの人気の無さからも、こういうアニメが、
テレビ放送で視聴できた事を、大変感謝致します。
共感するには、時代遅れなのかな。
第二部、テレビ放送していただけるんでしょうか、
若干心配です。

最近の同じようなアニメに疲れたら、いかがでしょう。
音楽、間合い、空気感、斬新な作画、
どれもがちゃんと意味を持っていて、無駄がない。
話さなくても動かなくても、間合いを読む表現があるのです。
スタッフ達の細部に至る緻密なこだわりが、
高級で上質な作品に仕上がっていると思います。
上の世代の人たちには、昔の邦画を思い起こさせ、
若い世代の人たちの中には、反対に新鮮に感じる人もいるかも
しれません。
爽快な作品を見たい方は、止めておいた方がいいかもです。
ある意味、人間のうわべに疲れた時、見ると興味深いかも。
文学的なものが好きな方には、おすすめです。

そして、原作を読んでいない方は、
アニメを先に見ることをおすすめしたいです。
原作のかわいい仲村さんは、
アニメの後でも充分受け入れられるかと思いますが、
私は、まだ原作を読んでいません。
むしろこれから読んで、
更に悪の華の世界を堪能したいと思っています。

実写のようですが、最近の実写では、
きっとつまらない見るに足らない作品になったと思います。


=最終話視聴後の感想は下の方にあります、
 よろしかったら是非、読んでください。=

(1話視聴後…)
原作未読です。
なので、全く純粋、当作品だけの感想。

お騒がせの作画は、アニメとは呼べないとの意見も解りますが、
これは、こういう「画風」と捉えるべきなのかな、と思います。
キャラデザ、もうちょっとかわいくてもいい気もしますが、
かわいい子がやると、反対に思惑的になってしまいそう。
私としては、こういう作品は、大有りです。
むしろ、原作のテーマを若干違った表現で、
如実に再現できているのでは? と思ったりしています。
原作作画のままでも、魅力的な作品になっただろうし、
それはそれで見たいとも思うのですが、
暗いし、文学的だし、蟲師の監督さんということで、
他とは一線を画した作品になるのでは、と期待したいところです。
それに、原作者さんと監督さんのとあるインタビュー記事によると、
お二人の目論見は成功しているんではないでしょうか。

ちなみに、ボードレールの惡の華は、
惡の推奨ではなくて、
惡に染まる人間を揶揄しているのかと思うのですがどうでしょう。
そう考えると、春日くんは、惡に落ちることに、一生懸命、
抵抗しているのではないでしょうか。

原作者、監督曰く、
「視聴者に傷跡を残す作品」にしたいということ。
しかし私には、反対に、
懐かしいような、人間の生温い甘さが、感じられました。

OP冒頭
「だけど、死んじゃいけないのです。
       だから、傷ついてしまえ。」
ED曲も、とてもいいと思います。
言葉が集約していき、悪の花が咲く感じがします。

むしろ、こんな作品見たかったんだよね、と
久々に若い頃を思い出しました。

私が、最初からレビューを書くと、
期待倒れになるというジンクスがあるのが、
とても心配です。
でも、こういう意欲的な作品は、
成功して欲しいし、たまには放送されるべきです。

しかし、あの悪の花は、まっくろくろすけとか、
まどマギの魔女の作画を思い出しました。



(全話視聴後…)
昔の暗い、人間の原始的な内部に迫る邦画っぽくて、
凄く良かったです。
実写から、膨大な作画に描き上げ、且つ調整する
ロトスコープという手法で作られた作画は、
人間の自然なブレや見逃しているような小さな動き
が再現されていて、そこに存在する細やかな心境の変化
まで表現されていて、アニメーターの描く演技に、
新しい発見になっただろうと思います。

作画に注目されやすいですが、
この作品で一番こだわっていたのは、
監督よりも、音楽スタッフだったそうで、
そのこだわりに見合う音響や音楽で、
作品全体の空気感を奥深く表現されていたと思います。
多く見られる長回しのシーンでも、
作画と美しい音楽が、脚本より向こうの心理を、
見事に表現できていたと思います。
ちなみに、背景も手書きだそうですよ。

大人たちはいい人ばかりで、子供から見た浅い
心理しか描けていないのかと思いましたが、
あれこそが、子供たちの目線から見た薄っぺらい大人だと
わかり、実は、よく考えられていると感激しました。

あなたの廻りに、仲村さんのような人はいませんでしたか。
春日君は、独りよがりな本の世界を飛び出して、
真の人間と向き合う勇気ある一歩を踏み出したようです。
しかし仲村さんは、かわいくなくても、秀逸なキャラだと思います。

最終回には、第二部の予告のようなカットが見られました。
二人の向こう側を探す戦いが始まるのでしょうか。

投稿 : 2013/06/30
閲覧 : 348
サンキュー:

35

惡の華のレビュー・感想/評価は、ユーザーの主観的なご意見・ご感想です。 あくまでも一つの参考としてご活用ください。 詳しくはこちら
惡の華のレビュー・感想/評価に関する疑問点、ご質問などがございましたら こちらのフォーム よりお問い合わせください。

りぃたんが他の作品に書いているレビューも読んでみよう

ページの先頭へ