モヤモヤ さんの感想・評価
4.7
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
商業主義にならなかったからこそ生まれた傑作だと思います。
灰羽連盟は安倍吉俊という絵師が、原作と、アニメの設定・脚本・イラストのすべてを一人でこなしていて、もはや安倍吉俊著作の作品であるといっても過言ではありません。
アニメというのはその特性上、大人数で制作するものだから、個人の意見に依った主義主張のある作品を作ることはほとんどなくて、商業的に売れるものを作ろうとします。
昨今のアニメは商業主義的なアプローチが顕著に見られます。
灰羽連盟はそういった他人から手を加えられることはなく、純粋に安倍吉俊の物語をそのまま反映させています。
灰羽連盟は、安倍吉俊が2000年前後で経験したいくつかの喪失に動機づけられてできた物語です。
半ば彼の自伝ともいえる本作は商業的性質の強いアニメに反した手法が随所に見られ、彼の言葉を借りて言えば、商業的には非常に危険な不確定要素の多い作り方によって生まれました。
確かに一部もどかしさも感じられますが、それを補ってあまりある魅力があります。
ちなみに脚本のプロットは一日で出来上がったそうです。