入杵(イリキ) さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
第一印象「あの服はなんだっ!?」
本作はアイディアファクトリーの女性用恋愛アドベンチャーゲーム(乙女ゲーム)「AMNESIA」を原作に製作された。
原作の乙女ゲームもアニメと同じく主人公が精霊オリオンと共に記憶を取り戻していくというストーリーで、常に死亡フラグとの戦いという恋愛ゲームの枠を超えた作品だ。
ヤンデレ加減とBADENDに歓喜を覚える全国の乙女の間で有名な作品らしい。
恋愛要素よりもミステリやサスペンスの要素が強いので、男性である私も楽しめた。主人公の容姿と性格に名塚佳織の声が大変良く似合っていた。
あらすじ
{netabare}
8月1日――
見知らぬ場所で意識を取り戻した主人公は、突如として8月1日以前の記憶をすべて失ってしまっていた…
ここはどこで、何をしていたのか。自分は何者で、どのような人生を送ってきたのか。
戸惑う主人公の前に現れたのは、自身を『精霊』と名乗るオリオンという少年だった。
オリオンの導きにより、主人公は記憶喪失を悟られぬように手探りで行動することとなる。
次第に浮かび上がる周囲の人間関係――
名前も顔も知らない“幼馴染"や“先輩"、そして“恋人"との出会い。
記憶のない主人公は、彼らの想いを痛切に感じつつも、それに応えることができずにいた……
時折よみがえる過去の記憶の欠片、そして突然訪れる危機――
物語は、彼女を巻き込み複雑に絡み合っていく。
失った記憶の先にある『答え』とは――
{/netabare}
感想
本作はOP「Zoetrope」,ED「Recall」が大変良い曲だった。
ストーリーもミステリ要素のお陰で毎回続きが気になる展開が楽しめた。EDへの導入が秀逸である。
また2話ほどで次の平行世界の8月1日へ行くわけだが、毎度主人公が誰にも相談せずに1人で悶々と考え込み、たまにしか登場しない無責任な妖精オリオンを信じ、「えっ!?」の連発をしていたのはもの凄く不自然だった。「一日でバレるだろ普通」と突っ込みを入れたくなる程だ。またどの平行世界の彼氏も有り得ない性格で、前衛的ファッションも相まって、不思議で仕方なかった。
{netabare}
シン(無愛想で一途なハート)・・・話し方が特徴的
イッキ(女性を惑わす魅惑のスペード)・・・魔眼を持ち女を虜にするが主人公には効かない。ファンクラブの所為で3ヶ月しか女性と交際出来ない哀れな男。
ケント(クールで合理的なクローバー)・・・論理的思考は出来るものの、心理学を学んだほうが良いのではと思えるほど、人の心が理解できない。オリオンを認識した唯一の人。
トーマ(慈愛と狂気のダイヤ)・・・主人公を愛するあまり、鉄格子に監禁したDV男。あれではトイレに行けないではないか。
ウキョウ(謎に満ちたジョーカー)・・・主人公を愛し世界線を移動しながらひらすら主人公の安全を祈った。二重人格になるまで追い詰められたのは無念。
{/netabare}
{netabare}
毎度不幸な死により世界線を移動する訳だが、事件の真相であるところの右京が妖精オリオンの創造主ニールによって、主人公が死んだことへの苦悩の解放として主人公の生きている様々な世界線に飛ばされていたという「ファンタジー万歳!考察よサヨウナラ!」な展開が待っていた。右京が二重人格になったのはこのニールとかいう創造主の所為ではないか。
彼は魔法少女まどか☆マギカの暁美ほむらがSTEINS;GATEで言うリーディングシュタイナーで世界線の移動を行っていたようなものだ。
{/netabare}
総評
本作は考察が全く出来なかったが、突っ込みどころが満載で、見ていて楽しい作品だった。ただ、主人公に名前が無いのが不自然で、最終的に原作ゲームの宣伝のような終わり方なのが残念。