にゃんた さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
楽に視聴できる素晴らしさ
もう他の方々が散々書かれているので、戦車の駆動シーンの
カメラアングルや作画等の素晴らしさを改めて詳述しないが、
皆さんが書かれている通り素晴らしい。
そのシーンのためだけにでも、この作品を視聴する価値がある。
また、本作品をみていて、
水島監督の他の作品「おおきく振りかぶって」を思い出した。
身近な競技を題材にしつつも、これを丁寧に描くことで新たな面が見えてくる。
しかもテンポが良いから、王道のスポコンストーリーなのに感動してしまう作品だ。
本作品は、野球ではなく「戦車道」という架空の競技を描くものだが、
なにより、
使用する戦車を、第二次世界大戦終結時までのレトロ戦車に限定したところが良い。
レトロ兵器を使うことで、素人でも置いてけぼりにならず、
何となく身近に感じられるし、性能面が目立つことなく、
戦術の応酬の醍醐味や爽やかなスポコン要素を強調することができる。
やはり、王道のスポコンストーリーなのに感動してしまった。
この、「丁寧かつテンポが良い」と感じる要因は
おそらくカット割りにある。
一見、何でもないようなシーンでも、
それによって登場人物達の心情や性格が自然に理解できるようになっている。
例えば、主人公が朝玄関を出る際に、鍵をかけ忘れて戻ったり確認したりするシーンでは、
初めての一人暮らしをする状況と不安な心情が表現されている。
また、彼女の部屋に置かれている数々のクマのぬいぐるみ達は、皆包帯を巻いているが、
これで彼女が厳しい戦車道の経験をしてきた過去、或いは
傷んだぬいぐるみを大切にする心情、すなわち
傷ついた仲間を大切にする優しい性格を表しているとも読める。
すごいのは、これらを視聴者が自然にイメージとして受け入れられることだ。
見逃さないようにわざわざ気合を入れて視聴しなくても、
何となく頭の中に刷り込まれているから、その後のキャラクターの行動が自然に受け入れられる。
もうこれだけでも十分満足できた作品なのだが、
戦車について素人の私では、戦車の細かい描写の凄さを完全には拾えていない。
それが理解できれば更に感動できると思う。
ぜひとも、
戦車マニアの方が書いた解説レビューを読んでみたい・・・(チラッ チラッ