namnam さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
現実味のある ”繊細さ”
「アニメのキャラ」という採点基準をいい意味で無視した、人間味がしっかりある人物像とその繊細な仕草。
誰もが持つマイナスな面(人間臭さ)としっかり向き合った上での、真実の涙(True Tears)とは何か?
全てが人間らしく、感情移入を通り越して、いつのまにか自分の学生時代と重ね合わせていた。
話を重ねるごとに来る、”くーっ” と。”ぐーっ” と、何だか胸の底から締め付けられる感覚。
”ムギュー!” でも ”グギュー!” でもない。
心臓が木枯らしに晒されているかのような、少し痛みのある、そして切ない締め付け。
こんな感覚はいつ以来だっただろう。っていう程に久しぶりだった。
未熟さも
曖昧さも
優しさも
皮肉さも
精一杯のまっすぐさも
がむしゃらに何かを探してた時間を思い出させてくれる。
ただのアニメのキャラやストーリーとして評価するのではなく、高校生だったあの頃の自分と重ね合わせて、もう一回考え直してみる。
そして不完全な自分をしっかり認識して、話の中にあの頃の自分を落とし込んでみる。
そうすると、もう一まわり二まわり繊細でおおらかな捉え方が出来るんじゃないかと思う。
「泣く」「感動する」といった ”狙った” 作品では得られない美しい痛みと余韻。
劇中の言葉通り「心が震える」全13話。
素晴らしい作品です。