たんたんたぬき さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
原作者の高い力量
この作品について前置きしたいのは、この評価はあくまで個人的感想が土台になってる点。レビューじゃないです。多くの人に納得してもらう作品紹介ではないです。私がこういった作品を見てきた経験が土台になっています。
こういった作品とは?ミステリー型のSF作品です。小説などは詳しくは無いです。漫画なら風の谷のナウシカになります。そしてアニメなら多くの人が知っているエヴァです。この作品とエヴァが似ている?実は似ています。エヴァはラストばかりが注目されますが、前半の思わせぶりなミステリー風の謎めいた見せ方がかなり上手いです。イデオン、デビルマン、風の谷のナウシカをモデルにしたらしいのですが、これらの作品の特徴は作者が行き当たりばったり作ってるので、よく言えば思いのまま自由に書いています。それゆえそれらをベースに構成を練り直して謎めいた部分そのものを演出として昇華しています。エヴァの話ばかりになってしまうのでここまで。
謎めいたざわざわ感と曖昧な言い方をします。古来どうして怪奇譚が人類の多くで数多く作られたか?といえば闇は創造力の源です。その闇の持つ根源的魅力を文章として完成度が高く表現された作品がこの作品です。ミステリーSFホラーと言う3要素が完璧に交じり合っています。ただし欠点はこれは原作未読ですが、原作の小説で作られたものでアニメに向いてるか?と言うと圧倒的にエヴァの方が上手いです。タイプは違いますが、浦沢直樹のモンスターや漫画20世紀少年もうまいです。絵を生かしたものとして作られたものじゃない。これが致命的な欠点になっています。それを十分に補える原作者の力量。この手の作品では絵にしたときの欠陥を持ってるのに桁違いだと感じる作品です。
この作品はここに魅力を感じないと4話までまるで面白くないです。4話始めてこれらの謎の一端が解き明かされます。そこまで行けばこの手の作品が好きな人は虜になると思います。4話に行くまでにこの魅力を感じ取る事が出来るか?そこに掛かっています。その個人差が大きいため私は冒頭で注意書きをしました。
後は後半は見事と言う言葉につきます。貼ってあった伏線が機能してアニメ向きのホラーアクションバトルが展開されていきます。
ただ最終回はちょっと考えさせれましたね。元々テーマ性の高い感じを持った作品です。でもちょっとボンヤリとそれをやるのでメインは映像に映える後半部分かな?と思ってました。しかしスクィーラの独白と早季と覚がそれをどう考えたか?を聞くとやっぱりこの作品はテーマ性の様なものを重視してると感じます。最終回まで見たらただ面白いだけではなくて重厚と呼ぶに相応しい作品です。
追加で書いておきたいのは、多くの超能力物見ていた方がより楽しめると思います。絶対可憐チルドレンは特に楽しめます。元ネタにしたんじゃないか?と思うほど世界観が類似しています。兵部が作ろうとした世界の成れの果てではないか?と思う部分があります。