杞冬@あずさ さんの感想・評価

4.7
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態：観終わった

自分がいいことをしていると思い込んでる人間ほどたちの悪いものはない

２期制作おめでとう！！
絶対２期はやるとは思っていたけどそれでもすごくうれしい。
大分前に決まったことですがやっぱり書いておきたかったので…ｗｗ
BDマラソンも完走できたし何より初めてのマラソンがこの作品でよかった。
ちょうど原作も区切りがいいしやるタイミングとしてはベストかもしれない。
今度はゆっくりとやれるはずだから積み込みすぎということにはならないだろう。

青春ラブコメと言っているがラブコメ要素は薄い。
どちらかと言えば生々しいまでのほどの青春群像劇。
少年少女の痛々しい青春。
この物語の主人公は比企谷八幡という孤独主義者。
一人を愛し、自分を否定せず、なれ合いを最も嫌うそんな少年の話。
はがないとよく似ていると言われるが外見は似ているが中身は全くの別物というのを理解してほしい。

話の内容としては奉仕部という部活に来た依頼を解決していくと言うもの。
解決の仕方が他とは常軌を逸している。
ぼっちな人を助けてあげようというのはどう解決する？
第三者ができることは無理やり輪の中に入れてやるか、
何故仲間外れにするのかと周りの人間に言うかぐらいだろうか。
だが八幡はそんなことをしない。
今いる環境を壊し、関係をリセットするというやり方。
無理やり輪を崩し入れる場所を作り出す。
後はその人次第ということになる。
そんなやり方を思いつくのが比企谷八幡である。
対価を求めず自分のやり方は間違っている。
自分が傷つくようなことでも最善のやり方なら迷わず選択する。

文化祭編で八幡のキャラというものが色濃く現れる。
彼のやり方を誰が間違っていると糾弾できようか。
影から成功に貢献し陰の立役者ともいえる人物を。
誰かが八幡のことを悪く言えばそれは伝染し、
少数から多数へと変わり絶対的な正義、多数こそが正義となり八幡はそういう人間なのだというレッテルを張られる。
だけど八幡はそれを許容し嫌われるのに慣れているからで済ませる。
「誰かを助けることは君自身が傷ついていい理由にはならないよ」
八幡のことをその人間性を理解し分かっていてくれる人間が少しいることが彼にとっての少ない救い。
見ているうちにどんどん好きになるそんな人間が比企谷八幡。

ちょっと余談ですが平塚先生のような人が現実にいたら道を踏み外す人が減るんじゃないの？と思います。
大人として生徒たちを導き先生と生徒という立場をはっきりとさせている。
一生徒を理解し手を差し伸べ導く。
一人の大人として尊敬でき、導き手となってくれる先生が増えていけば変わっていくのではないかな…
見た目も、中身も一番大好きなキャラです。
ほんと何で結婚できないの…？？
だからこそこの世界は間違っているｗｗ

２期では痛々しさも増しさらに心にくる話が続きますが、
しっかりと丁寧に作ってほしいところ。
原作での独白の部分がほぼカットされているのがおしい。
あれもこの面白さの一つなので原作も合わせると更に楽しめる。
ラブコメのラノベは主に読まないんですがこれだけは絶対にはずせない。
タイトルで損をしているラノベです。
早く２期で八幡たちを見たい…
最後の結末は八幡がいる環境を心から幸せと思えることを願って。
とこの辺で筆をおかせさていただきます。
６月某所PCの前でマックスコーヒーを飲みながら。