ものぽらいざ さんの感想・評価
4.9
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
世界はそう言うふうにできている
ラブコメ。
この作品のもっとも好きなところは単純実直さ。
特に喧嘩シーンが素晴らしい。
{netabare}
13話の大河と生徒会長の喧嘩、21話の実乃梨と亜美の喧嘩。
なりふり構わない喧嘩が心の壁を取り除く効果を持ち、その後のセリフが心に響く。
{/netabare}
そして、丁寧に人物を描くのはこの監督の素晴らしさ。
キャラの中では、亜美と竜児の母親の泰子が好き。
{netabare}
亜美は最後まで竜児が好きなことを打ち明けず、5人の中では唯一告白をしなかったが、もっとも成長した人物だったのは興味深い。いつの間にか自販機の間にはいなくなっていた。それに、各キャラの心情描写を補助する役だったため、個人的には感情移入しやすかった。
泰子の優しさと厳しさが入り混じったセリフや行動が琴線に触れる。
{/netabare}
原作は未読だけど、アニメの終わり方の演出は素晴らしかった。
{netabare}
1年間会わなかったことで大河と竜児の信頼の強さを示し、2-Cの教室で再会することでそれぞれの成長を暗示していた。
{/netabare}
このレビューのタイトルは最後のセリフであり、主語がなかったので、あえて「世界」とした。
そう、この物語のハッピーエンドは、登場人物を幸せにすることではなく、視聴者に生きることの歓びを伝えることである。この物語は特別ではなく、誰にでも起こりうる物語なのだから。