景禎 さんの感想・評価
3.9
物語 : 5.0
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
3期(まえ)へ・・・3期(まえ)へ進むしかない!
連載中の少女マンガ原作の作品。
競技カルタというレアな世界を描くユニークな作品です。
2期視聴のためには、1期視聴はほぼ必須でしょう。ほとんどの登場人物の人間関係は2期だけでは理解困難でしょう。
1期から定評がありますが、試合シーンの演出が良く、試合の緊迫した空気が視聴者に伝わってきます。多少スポコンチックでクサいところもあるのですが、そこんとこは少女マンガ的独特のギャグを織り込んで中和させています。というか、毒を以って毒を制している・・・とでもいいますか。
特に2期でのイチオシは21~22話。{netabare}前日の団体戦で負った右手のケガ。千早は無理を押して個人戦に出場します。そして左手で勝ち進んでいきます。ケガの右手は1試合ぐらいしかもたないだろう、ということで、新との対戦1試合のためにとっておきます。しかし、新より前に詩暢ちゃんとの対戦が決まります。そして、無言でその包帯を無言で解いていきます。ぞくっときます。
そして22話。ついに若宮詩暢との対戦。手負いの千早に対して手加減せずの23枚差で詩暢ちゃんの勝ち。{/netabare}ここらへんの経緯は作品を見て感じてください。鳥肌が立つこと請け合いです。ほんとうに「原作すごい」「演出すごい」のひとことです。
ただ、スポコンものによく見られることですが、物語の進行がたいへん遅いです。前回のおさらいが多めだったり、試合中の心の葛藤が長々と描かれたり・・・。たとえば、2期では夏の全国高校選手権の団体戦の一日が、延々3ヶ月近くに渡って続いています。サクサクお話が進行しないとイヤな人や、放映後に一機見する人にはかなりつらいかも。
人気作品のわりに低予算。回想シーン多めで進行が遅いところや、静止画の場面が多かったり、同じ場面を使いまわしたり、低予算を克服する工夫と思われるところが随所に見られます。原画、動画には海外の下請け会社を大量に使っており、作画もあまり良いとは言えません。{netabare}明石女子の恵夢たんの太ももが異様に太かったのが気になりました。せっかくかわいい子なのに~。{/netabare}
しかし、低予算のわりに出来がいい。作画の良し悪しに頼らないアニメ作りに成功していると思います。原作未読ですが、原作が良いのだろうと想像できます。演出がいいことは前にも書きましたが、さらに、監修がしっかりしている。あまり知られていない分野なので「どうせ誰にも分からんやろ」と手を抜くことも出来たでしょうが、この作品にはそういうところがありません。大学のかるた会や全日本かるた協会などをうまく使っていて、低予算でも良い作品に仕上がっています。
登場人物のキャラは非常によく立っていると思います。とくに1期ではマジメキャラだった詩暢ちゃんの2期での変容ぶりや、2期で新登場の花野さんはオレ的には注目キャラです。
さて、夏の全国大会はは終わってしまいました。{netabare}新との戦いはまた3期のお楽しみでしたね。残念。{/netabare}
いずれにせよ、毎週放映が待ち遠しい、そして3期が待ち遠しいと感じる数少ないアニメのひとつです。3期(まえ)へ・・・3期(まえ)へ進むしかない!