くりきん さんの感想・評価
4.5
物語 : 5.0
作画 : 3.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
(ネタバレ有)偽りの神に抗え
最終回がすごくよくまとまっていて感動し、さらに新世界の人間の汚さがよくにじみ出ていて怖さを感じました。
偽りの神に抗え というこの言葉
最初に見たときと最終回を見終わったあとでは全く印象が違うと思います。
最初は 主人公達がこれまで信じてきた大人、あるいはこの村、ルールに抗うという意味かと思いました。
そしてこの解釈は物語の終盤になるまで曲がりませんでした。
しかし後半ではスクィーラ率いるバケネズミ達による反乱によって皆逃げ惑い、バケネズミに完全に制圧されつつある中、悪鬼があらわれ愧死機構によって殺せず、人間達は絶望しました。
主人公はサイコバスターという細菌兵器なら悪鬼を殺すことができると聞き、行方不明だった奇狼丸を率いて探索に向かいました。
この探索の途中、奇狼丸が胸の内を明かしました。
自分たちはスクィーラとは方針は違うものの、人間に反乱しようという考えがあったこと。
奇狼丸は純粋に 大雀蜂コロニーを存続させたかったこと。
その証拠に最終話でバケネズミを根絶やしにする方針の中に例外として忠誠を尽くしてきた大雀蜂コロニーは処分をまぬがれたのです。
サイコバスターは無駄に使い、失敗しました。
ですが主人公は気づいたのです。 悪鬼だと思っていた少女は悪鬼じゃないことに。
本来、悪鬼は人間に限らずすべての生き物を殺す殺人鬼です。しかし少女はバケネズミのみ殺さず、人間を殺していました。これは仲間を殺された恨みからくるものだと思います。
スクィーラ側 つまりバケネズミ達に育てられ、少女は自分をバケネズミだと思いこんだことで愧死機構にはならず、人間を殺せたのです。
では主人公が少女に人間だと思わせれば?
そして鏡を見せました しかし少女は激昂し、失敗しました。
奇狼丸「私が命を捨てることで悪鬼を斃せるのであるなら、一瞬の躊躇もなく、任務を完遂してみせましょう」
そして最終的には主人公が少女の目の前にでたところをバケネズミである奇狼丸が前に立ち、呪力を奇狼丸に当てることによって愧死機構を発動させ自滅させました。
本当にこの少女は可哀想です。何も知らないまま何も知らずに死んだのですから。
そして敗北したスクィーラはこんなことを言いました
「なぜ、人間に反逆しようとしたの?」
スクィーラ「我々は、あなたがたの奴隷ではないからだ」
「奴隷って、どういうことだ?たしかに、貢物や役務の提供は求めたかもしれないが、お前たちには、完全な自治を認めていたじゃないか?」
スクィーラ「ご主人様のご機嫌が麗しいときはね。しかし、いったん、些細な理由で逆鱗に触れれば、たちまち、コロニーごと消滅させられる運命です。奴隷より悪いかもしれない」
「スクィーラ、あなたに、ひとつだけ、頼みたいことがあるの。あなたが殺した人たち全員に対して、心の底から謝罪して」
スクィーラ「いいですとも。その前にあなたがたが謝罪してくれればね。あなたがたが、何の良心も呵責もなく、虫けらのように捻り潰した、我が同胞全員に対して」
最後、動物裁判に掛けられたスクィーラはこういったのです。
スクィーラ『私たちは、獣でも、おまえたちの奴隷でもない!』
「獣でないとしたら、おまえは、いったい何なのです?」
スクィーラ『私たちは、人間だ!』
人間達は笑いました。
スクィーラ『好きなだけ、笑うがいい。悪が永遠に栄えることはない! 私は死んでも、いつの日か必ず、私の後を継ぐものが現れるだろう。そのときこそ、お前たちの邪悪な圧政が終わりを告げるときだ!』
化けねずみ達は元をたどれば人間で、呪力を持った人間達によってこのような醜い姿に成り果てました。
ここで思ったこと 視聴者である私達がバケネズミであるということ。
呪力を持たない人間=バケネズミ だからです。
スクィーラは呪力で痛めつけられ、死にそうになったら呪力で傷を癒され、また呪力で死にそうになるまで痛めつけられるの繰り返しをされる 凌遅刑 をされることになりました。
そうして傷つきまくったスクィーラは肉片になり、主人公がルールを破り、その命を終わらせました。 これは主人公が少女時代に助けてもらったときの恩返しなのでしょう。
スクィーラはたしかに残虐なことをしました。しかし、奴隷としての革命を起こそうとした。立派な人間ぽさがあったと私は思います。
なんかちゃんとまとまってない気がして、レビュー書くの下手になったと思いますが、このレビューを見て何か感じとってもらえることがあれば幸いです。