「僕は友達が少ないNEXT(TVアニメ動画)」

総合得点
86.8
感想・評価
3952
棚に入れた
21990
ランキング
185
★★★★☆ 3.9 (3952)
物語
3.7
作画
3.9
声優
4.0
音楽
3.6
キャラ
4.1

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ネタバレ

jodream さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 2.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 2.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

よくも悪くもラノベ的

・粗筋
 目つきと外見が恐いことでクラスから浮いていた羽瀬川小鷹(はせがわこだか)は、三日月夜空(みかづきよぞら)がエア友達と話しているところを目撃し、そのことをきっかけに、夜空が結成した隣人部に入ることになった。隣人部の活動目的は、建前上は、友達が出来た時に備えて友達としての振る舞いを学ぶことである。そして、次々に残念な美少女が隣人部に入ってきて、彼女らと残念っぷりをさらしながら疑似友達として活動を続けていくが……。

・ストーリー
 良くも悪くもラノベの紋切型の作品です。やや強引な美少女が部活を結成し、主人公はそこに無理やり入部させられるとか、主人公の目つきや外見が恐くてまわりに恐れられているとか、次々と美少女と仲良くなるとか、主人公が鈍感だとか、固有名詞を出すまでもなく、人気ラノベや王道ラノベの設定を踏襲しています。しかし、この王道的設定、固定観念を逆手にとって、この作品はいくつかのトリック(ネタバレの為、後述)を仕掛けています。その点は注目すべきだと思われます。

・キャラクターの魅力
 ハーレム物だけあって、キャラクターはとてもかわいく描かれております。ブヒれます。というのも、原作のキャラデザが「ブリキ」さんという有名(受け持つ仕事は少ないですが、このライトノベルがすごい!2012年1位に選ばれています)なイラストレーターが手がけています。このイラストレーターさんの特長は、いわゆる萌絵ながらもどこか艶っぽい雰囲気がある絵です。私は大変好きです。
 一期は、原作絵に比べるとややケバい色合いになっていますが、二期にあたる本作は原作絵をうまく表現していて、良いエロスになっております。


・ネタバレについて
 一つは、鈍感設定のひっくり返しです。ハーレム物の主人公はたいていヒロインの好意には鈍感で、小声で好意や婉曲的な告白を思わせるようなヒロインのセリフに対しては「え? なんだって?」と返答することが多く、実際に聞こえていない、気づいていないことが多いです。小鷹もその例にもれず、ヒロインの好意を匂わせるようなセリフに対しては、「え? なんだって?」とあたかも聞こえていないように返答します。しかし、その実、ヒロインのセリフは完全に聞こえていて、隣人部というつかず離れずの心地よい距離を壊したくないために、ヒロインの好意をスルーしています。この点を指して、鈍感設定を逆手に取ったトリックという事ができます。そして、二期の途中でこの事実が、主要人物の一人から指摘され、物語は佳境に入ります。

・「僕は友達が少ない」の意味
 この作品のタイトルは「僕は友達が少ない」です。このタイトルから、通常は「主人公=羽瀬川小鷹=僕」の図式を思い浮かべます。しかし、この主人公たる羽瀬川小鷹の一人称は「俺」であり、その他のヒロインたちが「僕」と名乗っている描写もセリフもありません。では、このタイトルの「僕」とはいったいだれなのか?
 その答えについては、本作の最終話においてわかります。これまで隣人部の活動について縁の下の力持ちとして貢献していた、志熊理科(しぐまりか)が、「おまえは一体なにがしたいんだ!」という小鷹の問いに対し、「僕は友達が欲しいんだ!」と本音をさらけ出します。ここで、本来の理科の一人称が僕であること(これ以前の一人称は「理科」です)、僕は友達が少ないの「僕」とは「理科」であることが明かされます。タイトルの一人称が主人公であるという思い込みを利用した、二つ目のトリックです。この二つのトリックはすごくいいと思います。

投稿 : 2013/03/29
閲覧 : 203
サンキュー:

5

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