りゃむ さんの感想・評価
3.6
物語 : 2.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
京アニ・・・黒歴史ですよね?
うーむ・・・日常、けいおん、クラナド、フルメタ、中二病、Air、KANON、氷菓、らきすた。。。
いくつもの大ヒット作を世に送り出してきた京都アニメーション。
今回は大失敗ですね。
これらヒット作との相違点で最も分かりやすいのは『原作の有無』です。
今作たまこまーけっとは京アニオリジナルアニメーションとして製作されました。
これはムントシリーズ以来4年ぶりの挑戦。
まったくの新作としては10年ぶりの挑戦という形になったのですが・・・ムントシリーズって京アニの中で一番知名度が低い作品なんじゃないでしょうか。
そして、ここまで知名度を持つ制作会社になった京アニの名前を冠してなお、ムントが再加熱したという話を聞きません。
これは単純に“おもしろくないから”ですよね。
さて何が言いたいのかといえば、既存の作品を面白く、分かりやすく作る演出力と原作を読み解く読解力はすばらしいが、ゼロから新しく作る構成力は無いという事を露呈してしまったのではないかという話です。
いろいろと書きたいことがありますが2点だけ・・・
1、堀口悠紀子さんのキャラデザに頼りすぎ。
彼女がキャラデザを担当した他の作品ではけいおんとらきすたが有ります。その他京都アニメーション作品でもほとんど原画や作画監督などで関わってます。
よく言えば“一目で京アニ作品だと分かる”ブランド製。
悪く言えばいかんともしがたいマンネリ感。
たまこの髪型を唯にしたらきっと唯にしか見えなくなります。
それくらいワンパターンなキャラデザですよね・・・
2、けいおんヒットにあぐらをかきすぎ。
けいおん後→日常、氷菓と作風の違う作品を手がけ、たまこまーけっとでほのぼの日常系に今一度戻ってきた形となった今作。
そもそもけいおんが売れた理由を考えてみれば、高品質の音楽とほのぼの部活少女青春モノとのギャップが生み出した化学反応だったように感じます。
しかし今作ではそういった“化学反応を生み出す要素”が不足していて、いたずらに挑戦した一風変わった世界観(デラ一族)を日常の中にぶち込む作戦も、脚本とシナリオでうまく絡まらせることが出来ていません。
なんとこの1話からにおわせてきた、なんならこの作品が“面白くなるための鍵”といってもいい王子が本編に絡み物語を進行させ出したのは最終回のみ!
これはシナリオ構成力を問われても仕方の無い話ですよね。
何の伏線にもなってないし無理やり最終回っぽい演出をしてみました感がバリバリです。
ここまでマイナスイメージを書いてきましたが評価するとすれば“健在だったキャラの魅力”でしょうか。
なにより数多くの女の子キャラやマスコットキャラを演出してきた実績はさすがで、それぞれのキャラクターを潰すことなく演出できていました。
これだけのキャラ演出力があれば、いたずらに冒険せずただの1話完結型日常アニメ(あるあるネタなどを多用し)を描いていたのなら、大ヒットとは行かずともここまで評価を落とすことは無かったのだと思います。
最後に・・・たまちゃんよ。どこかの剣道少女たまちゃんを見習って口に食べ物を含んでしゃべるのをやめなさいw