ギータ さんの感想・評価

3.4
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態：観終わった

たまこと鳥の人以外の人たちの描写

ほのぼの日常アニメということで、雰囲気はとても好きで、あの山崎たくみさんが鳥の人を演じて、思わずクスリとしてしまう場面がよくありました。

日常アニメの前提として、キャラがたっているかどうかという点があげられます。私の中で日常アニメは、ずっとこのキャラたちが巻き起こすことを見ていたいという感じに視聴者の心をつかめば勝ちだと思っています。そのため、キャラの魅力は日常アニメにおいて特に重要な要素だと思っています。


{netabare}結果どうだったかといえば、そこまでキャラはたっていなかったのかなと思います。まず、設定とキャラの配置がかみ合ってなかったように思います。
普通、日常アニメは主役がいたら、いつも周りについている仲間や友人、いわゆる準主役のようなキャラがいます。主役一人だけでほのぼの空気なんて作れません。今回はたまこが主役としたら準主役と呼べる人はいたでしょうか。
このアニメは商店街を中心として扱っていました。しかし、商店街の人たちは普通モブキャラというべき人物ばかり、学校の友達を準主役にするにも、商店街を中心に添えたからか、準主役と呼べるほどスポットがあたらなかったと思います。商店街という要素によって、キャラの位置づけが中途半端になり、キャラの魅力を十分に発揮できなかったと思います。

全話見終えて、私は商店街なら商店街に統一すべきだと思いました。
まず、このアニメは題材や設定が明らかに多すぎです。商店街、餅屋の家、学校、友達、部活、鳥の人、もちぞう、海外の王国といったように、思いつくだけでもこれだけあがります。けいおんでも題材は、学校、友達、部活、妹くらいにおさまっていて、中心は友達の時間とはっきり決まっているくらいです。１クールでこれだけ扱うと魅力を発揮しきれないと思います。ましてやたまこマーケットは中心として比重が傾いている要素があるわけでもなく、これだけの要素を同じくらいの均等さで展開しています。

私としては、準主役級は学校の友達に据える（てか最終回終わったのに、名前すら覚えてないという）そして学校の描写を減らして商店街で物語をもっと繰り広げればよかったと思います。まず、商店街の人のたまこ以外のからみが少なすぎです。もっと商店街の人たちじゃない友達と商店街の人たちをからませて、心情ややり取りの変化を描写し、最後にこの商店街はやっぱりいいなぁみたいな終わり方をすれば、準主役の描写をして、商店街中心にすすめて、ほのぼの空気を保ったまま日常アニメとして終われたのではないかなぁと思いました。あくまで個人的な素人の意見なので、悪しからずということで。


すでにいいましたが、日常系のアニメは終わってほしくない、ずっとこのやり取りを見ていたいと思わせるようにするべきだと思うんです。今回の場合は、この商店街とも今日でお別れかぁ、寂しいなぁ、もっと見てたかったなぁという作りにするべきだったと思います。それが題材の多さ、中途半端なスポットの当て方で、キャラの魅力を引き出し切れず、特別な愛着は湧きませんでした。
それは最終回でもよく表れています。 {netabare}最後の２話、たまこはみんなと別れることを止めてもらいたいのに、止めてくれないみんなに腹が立っています。普通なら、たまこに感情移入して「なんで止めてくれないの」「商店街から離れるなんて寂しすぎる」というふうに思うところですが、とくにそういう感情は湧きませんでした。理由はここまで述べてきたとおりです。 {/netabare}
{/netabare}

京アニにしては少し期待外れだったかなという感じで、新しいことに挑戦しようとして収拾がつかなくなった感じでした。商店街の題材はなかなか面白かっただけに、以前のけいおんを見習って、やることをもう少ししぼって展開するべきだったと思いました。
商店街系のアニメなら私は断然異国迷路のクロワーゼの方を押しますね。まぁ雰囲気は大分違う作品ですが。

最後に
{netabare}「みんな丸めてお餅にしてやろうか！？」めっちゃ可愛かったですｗｗ
このシーンはマジでやばかった（笑）{/netabare}