ともか さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
後編(第2期)への前置きですが、私はこちらのほうが大好きです♪
全年齢対象のゲームが原作。
アニメ化されているKey作品の中で唯一、原作ゲーム未プレイです。
これを観ずしてKeyファンは語れないことを痛感しました(苦笑)
こちらはシリーズ前編(第1期)の作品で、全24話(本編22話+番外編2話)。
主人公・岡崎朋也と、メインヒロイン・古河渚の成長を中心として、
他の人物たちとのふれあいを描いたファンタジックな作品。
岡崎は母親が故人で、父親とは仲が悪く、家庭は崩壊状態。
不良で、他人と関わることも好まない性格。
渚は病弱で1回留年し、岡崎よりも1つ年上。
同級生はすでに卒業し、人見知りな性格もあって肩身の狭い思いをしている。
岡崎が常に古河渚と共に歩み続けながら、
学園生活を通して他のキャラ達と交流し、そしてお互いに成長していく。
しかし真の意味で成長を描かれているのは岡崎のほうに思える。
進路も決める気がない状態から、渚との出会いをきっかけに
家族がいることや友達ができることの喜びを感じ、
将来についても考えるようになっていく。
ご都合主義な点もあるけれど、ファンタジーの世界なのでご愛嬌。
強いてツッコむとしたら物語構成でしょうか。
1人目のヒロイン(風子)に やけに尺を割いていると思ったら、
それは半ば独立したエピソードだった。
良い話だと思うし、それ単体では高く評価できるけれど、
作品全体を見据えた時に他の部分との繋がりが弱かったのはマイナス点。
それでも、その後の物語のまとめ方・滑らかさは目を見張るものだった。
岡崎の父親との関係があれからどうなったのかも気になる。
(2期で分かりました。)
あと、欲を言うと番外編2話も本編の中に上手く組み込んでほしかった。
作画は独特な原作絵(いたる絵)の雰囲気を残しつつ、
もう少し見やすいように配慮した感じでしょうか。私は好き。
この作画で苦手意識のある方も居るかもしれないけれど、
全体を通して崩壊が無く丁寧に描かれていたと思う。
声優は、各キャラのイメージによく合っていたと感じるし、
間の取り方も場面に応じて長くしたり短くしたり、上手いと思った。
作中での音楽は常にその場の雰囲気に合った演出として機能し、
非の打ち所が無い出来だったとように感じる。
OP・EDは1曲ずつのみ。
OPはファンタジー世界への導入として良いと思う。
そしてそれ以上に、EDは中毒性の高い謎めいた曲と思わせて、
実はこの作品の内容を象徴するような素晴らしい曲。
OP曲: メグメル 〜cuckool mix 2007〜
ED曲: だんご大家族
他にも、挿入歌として「Ana」や「-影二つ-」など、
耳に心地よい曲が揃っていた。
キャラはいかにもKey作品で、本当に個性派揃い。
この「キャラ」のおかげで重苦しい雰囲気になることは少なく本当に観やすかったし、
2クールで中だるみを感じなかったのもキャラが面白かったからだと思う。
物語としては孤立してしまっていた風子も、お笑い担当として突然現れ、
その他も全員、一風変わった設定があって笑わせてくれるネタを持っている。
私はこういうのが大好きですが、
キャラデザインを受け付けない方には、この作品はお勧めできない。
固定のファンだけでなく、広く支持を集めているわけが分かったし、
私としても大好きな作品がまたひとつ増えました。
絵柄がどうしても苦手、ファンタジー系が苦手、変わり者のキャラが嫌いなど、
受け付けない理由が特に無いのであれば、
「とりあえず観てみては?」というほどのレベル。
2期『CLANNAD 〜AFTER STORY〜』まで合わせて、
4クールで1つの作品として成り立っているので、
ボリュームのある過去作品をお探しの方に、この作品をお勧めしたいと思います。
2013年3月27日 初回レビュー
2013年4月20日 第2期を視聴し、一部改稿