りゃむ さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
声優の演技でキャラがここまで別物になろうとは・・・
まず個人的には、最終回まで月曜日の楽しみとして面白く視聴できたことだけは断っておきます。
この手の寮物語で見ていて思い出したのは
まほらば、ラブひな、めぞん一刻あたりでしょうか・・・
ひだまりスケッチはラブコメではなく日常系なので若干別カテゴリかなと・・・
さてこの手の作品のなかで2クールという限られた期間に盛り上げるためにはどうしたらいい?
1・主人公に対して複数の女性キャラが好意を寄せ、揺れ動く登場人物の恋心を描く
2・登場人物たちに絆が生まれたタイミングでそれを引き裂くような解散必死の事件が起きる
3・その寮に住まう人間は変人、奇人ばりに濃いキャラクターで固める
はい・・・要はこのさくら荘、テンプレが詰め込めるだけ詰め込まれた作品ですね。
別に良いとは思いますが、この作品の批判として何か新しい要素が欲しかった。ということでしょうか。
その新しい要素として期待できたのが“天才の隣にいる凡人”という部分だったと思います。
しかし主人公の空太がその要素部分を盛り上げられなかった・・・というか空太役 松岡禎丞さんの演技の幅として才能に対しての嫉妬やお調子者の性格が目立ってしまう結果になったんだと思います。
欲しかったのはましろを認め、応援する。そして彼女に憧れながらも追いつこうとするそういう描写だったと思います。
そしてセリフの端々を捉えてみればそういった描写もあったように感じます。
しかし松岡さんの演技では“格好付けの高校生キャラ”を抜け切れておらず。ボロボロになっても這いずるような泥臭さが足りなかったのではないかと思います。
結果論になってしまいますが、似たような役が出来てこの人が声を当ててたならと思うのは、森田成一さんか神谷浩史さん辺りでしょうか・・・
この部分が結果としていいポテンシャルを秘めていた作品を没個性的作品にしてしまったのかなと思います。
しかし先に書いたテンプレ部分はしっかりと描ききれていた+最終回、ありきたりながらきれいに着地した事によって悪くは無いできに仕上がっているとも思います。
松岡さんは26歳とまだまだ若い声優さんなのでこれからに期待したいですね。
【というかこのままだと全てのキャラがキリトになりかねないw】
それ以外では作画もそれなりに綺麗ですし、ラブコメの要の一つキャラデザはかなり良いと思います。
とても惜しい作品だったというのが総括でしょうか・・・