ギータ さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
けいおんは日常アニメであって日常アニメではない←評論家気取り(笑)
ある先輩に「けいおん見てないです」といったら「お前、それじゃダメだ、必ず見ろ」と命令されたので見ました。下手したら、中1の妹よりも後にみた作品かもです(笑)
2期の分もまとめて考えます。
まずこの作品、日常物であって、日常物ではないですよね?
それはしっかり年月が経っているからです。ゆるゆりやワーキングなど、日常物はたいてい年月が経ちません。詳しくは知らないけど、みなみけとかもそうじゃないかな。年月が進むと、自然に物語は終わりへと向かいます。けいおんはこの要素があるから、普通の日常物とは一線を引いています。行事がある、進級する、後輩ができると言ったように、年月が進むことによって、この物語にはストーリー性が生まれます。時間は永遠ではなく、楽しいことは時間が経てば終わりを迎えるし、来てほしくないことも、時間が経てばやってきます。まったりのほほんだけではなく、寂しさや感動なども秘めていて、物語の着地ポイントもしっかりしているため、この物語は全体として完成度がかなり高いです。楽しさだけでなく、時間のはかなさも感じる作品です。
冷静に考えて、ストーリー性があって、年月が流れる日常物ってそう多くはないと思います。
それから、けいおんなのに半分以上(下手したらもっと)はけいおんしてないのがこのアニメの特徴ですよね(笑)
しかし、けいおんすることがこのアニメの目的ではないですよね。もちろん部活としては目的です。それでも、アニメの物語として一番見せたいのは、仲間、友達と過ごす時間です。それはけいおんだけじゃなく、どこかに遊びに行く、部室でティータイムでも良いわけです。スポ根アニメではないので、そんなに練習風景ばっか映さなくてもいいわけです。むしろ色んな場所で多くの時間をこの仲間たちと過ごしてきたという過程が、最後の感動を呼ぶのです。そう考えると、ほのぼのの日常パートも、物語の1つ1つの要素として機能していると考えられます。
とくに考えずに見ても楽しめるだろうし、考察してみても色々見えてくる良アニメだと思います。あまりにも人気すぎて見るのをためらっていたアニメですが、見て良かったと思いました。