ギータ さんの感想・評価
3.3
物語 : 2.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
作り手の衝動が個人的な感情の押し付けとなれば反感をかい観客を置いてけぼりにする
いやぁ、良い言葉ですねー。この言葉に出会えただけでもこのアニメを見てきた価値があったんじゃないかと思うくらいです。
これからのアニメを見るときの指標、私が人前で何かしらやる時にこの言葉を思い出そうと思いました。
ざっくり感想を述べるとこんな感じです。
2クールにも関わらずストーリーが進展しなすぎ、登場人物に全く感情移入できない、展開に共感できない、終わっても寂しさを感じなかった。
まぁ要するに面白くなかったということです。前半は悪くなかったと思います。何点か述べたいことがあるので、具体的に書き出して述べたいと思います。
・このアニメで一番失敗だと思うこと
{netabare}ラスト2話も正直あっけにとられるだけで、かなりやってしまってる感があったのですが、私としてはさくら荘取り壊しという設定が一番やってしまったと思います。この意図が全く分かりませんでした。ましろについて重点が置かれた話でしたが、結果、予想できることしか起こらない、空太との関係が進展したかといえばそうでもありません。代償として、お世話になった先輩方との時間をけずり、いきなりの卒業式、そんなどたばたしていきなり卒業式であれをやられても、登場人物の気持ちを汲むことなんてできません。
さくら荘取り壊しという設定が物語を取り壊してしまったように感じます。今までの物語をこの話で塞いでしまった、おかげでラスト2話に物語がつながらなかった感があります。
{/netabare}
・主人公について
{netabare}審査に落ちる、才能に押しつぶされる、同居人に怒鳴りつけるといったように現実的に描かれているように見えますが、これも失敗だと思います。おそらく結構な人がこんな印象を抱いたのではないでしょうか。
「怒鳴るなよ」「逆切れすんなよ」「また逆切れかよ、成長しろよ」
こんな印象を抱いた瞬間、感情移入は全くできなくなります。別に現実的にやるなというわけではありません。大事なのは、現実感とアニメ感のバランスです。これはアニメです。なんでもリアルにしてしまえばいいということではありません。言ってしまえば、自分には出来ない理想の人物くらいの描写でもいいんです。この主人公は弱いところを素直に描きすぎました。ていうか、これこそ作り手の押し付けかもですが、もっと反感を買わないくらいの描写にすべきではないかと思いました。
{/netabare}
・作り手の衝動が個人的な感情の押し付けとなれば反感をかい観客を置いてけぼりにする
{netabare}前半のあれは完全に皮肉ですよ(笑)そんな立派な言葉を使うくらいなんだから、自分で作る作品くらいその通りにしろよという。
まぁ一番この言葉が浮かんだのは卒業式ですね。ていうか、この言葉が浮かんだ瞬間爆笑しました。「お前ら、言ってることとやってることが全然一致してんないじゃんwww」みたいな感じで。
これも同じです。「卒業式ジャックすんな」「答辞、自分のことしか言ってねぇし長い」「なんで一般生徒まで泣いてるんだよ」「他の生徒は本当にそれでいいのかよ」
本当に筋が通っていたり、意図がある演出だったりなら多少は気になる設定も目はつむります。しかし、この話は許容範囲を明らかに越えています。後輩に対する思いの伝え方はもっと他にもあるはずです。さくら荘の取り壊しについては…話に組み込んだ時点で失敗なんでここでは責めません。
本当に、自分が言った言葉をしっかり受け止めてほしいと思いました。
{/netabare}
結局この作品も終わって寂しさは感じませんでした。自分がアニメを楽しめなくなってしまったのかとも思いました。
しかし、その後に見たガルパンはとても楽しめました。
私はそこまで変わっていないはずです。何回も書いてますが、これからもっと面白いアニメがでることを期待しています。