ワタ さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
正義の連鎖は終わらない
シビュラシステムとやらが、いつ、どういった経緯で、どのような形で社会に導入され
人々に受け入れられていったのか。結局その具体的な描写はありませんでしたね。
1話丸々使ってでも、そのエピソードが欲しかったです。
確かにシビュラシステムが導入されて以降
適正に見合った仕事が得られたり、犯罪も減少し、理想的な社会が実現されたと言える。
しかしそれは作中でちらっと台詞で触れられる程度で
寧ろ具体的なエピソードの中で描かれる「システムの問題点」ばかりが目立ってしまっている。
免罪体質者はじめ、捜査中明らかな現行犯に対してもドミネーターで犯罪係数を測定するという
まどろっこしい手順を踏まなければならない点、など。
シビュラシステムの利点を示す具体的なエピソードも欲しかったです。
”目の前で人が殺されてるのに何事もなかったようにスルーする通行人”
シビュラシステムに支配され依存しきった人々、というものを印象付けた話として
なかなかインパクトもあって面白かったんですが
こういうのはもっと初期にやって欲しかった気もするし(今更こんな世界観だって言われても)
そもそもこれ以前の描写を見る限り、犯罪や死体に対して普通に恐怖してたと思うんだけど・・・
中盤のマキシマがツネモリの友人を人質に取るエピソードがピークだった感。
この時のマキシマはカリスマ性あったし、悪役として最高に輝いてた。
数値が「0」を示した瞬間、正直鳥肌立ちましたよ。演出も良かったですね。
でもその後は、計画は行き当たりばったりだし、追い詰められたらオサレ体術ってw
ツネモリに背後から殴打され顔芸さらした瞬間、私の中で彼は完全にネタキャラとなった。
あと彼は基本引用厨なところも微妙。引用を絡めた長台詞の応酬は冗長という他ない。
それでも異様な程にキャラは立っているし、やり方はどうあれ思想は共感できる部分も多いし
マキシマが絡んできてからストーリーが面白く感じられるようになったのも事実。
物語の落とし所としては、悪くはないんだけど無難過ぎて物足りなかったですね。
システムをぶっ壊してシステムありきの社会から脱却END
ツネモリの脳みそがシビュラに取り込まれる虚無END
・・・うーん、どっちも安直過ぎますかね。
せめて最後、ツネモリにはコウガミを撃って欲しかったかな。
彼女の信条的に法に基づいて、しっかり裁きを下して欲しかった。
第1話とリンクさせるなら、寧ろここじゃないかと。
マキシマへの復讐を果たしたことで、犯罪係数も上昇しまくってるかもしれないし
デコンポーザーでグロ死させても良かったぐらい。
じゃないとカッコがつかないからなー。肝っ玉だけはすわるようになったけど
シビュラに対する「いつかあなた達を・・・」って宣言も完全に人任せだし。
現行システムの代替案がない以上、現状維持ってのは現実的ではあるけれど。
文句ばっかりになっちゃいましたが、全体を通してそれなりに楽しめました。