にゃんた さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ナイスカルピス
色々なことに寛容な神道の特徴である、「神と人との距離の近さ」を上手く使い、
やんちゃでかわいい女の子の姿になって現れた神様が人間と関わっていく過程で
生まれるドラマ、ハプニングを描くハーレム要素のあるラブコメ。
神道では人が死ぬと神として祀られることが認められる(人神)ため、
神様も何だか親しみやすいものとして捉えられる。
絶対服従で崇め奉る関係ではなく、適度な距離感でお互いに上手く付き合っていく。
人も神も自然の一部として、決して完全な上下関係に無い。
(正確な知識ではないが、私個人の認識としては、こんな感じ)
作中でも、人から尊敬されることで神様パワーが得られる仕組みに見られるように、
相互依存関係となっている。
人との距離が近いから、ハートフルなドラマが描ける。
「人外の者と人間との関係から生まれるハートフルドラマ」を描く作品は結構多い。
真っ先に思い浮かんだのは、
女子中学生が神様となる設定の「かみちゅ!」(倉田英之さんによる構成・脚本)。
ヒロインの話し言葉が古風な「狼と香辛料」にも類似点がある。
少し遠くなるが、自然の中に息づく妖怪(の類)と人間の関係を描く「夏目友人帳」
や「蟲師」などもこれに分類できるかもしれない。
それにしても、嫌味がない。
どうしてこうも嫌味のない、後味の良いコメディになるのだろうか。
それは、ギャグシーンにクドさがなくて、その代わりに
洗練されたアングルや構図で笑わせることができているからではないだろうか。
もっともそれが表れているのが、アニメオリジナルである7話の
{netabare}ざんげちゃんとの「いちゃつき」シーン。
音声はしっかり流すのに
画面ではカルピスウォーターのペットボトルだけをしばらく映す。
その間、ボトルの水滴がさわやかにポタポタと落ち続ける。
カルピスとは、爽やかで甘酸っぱい青春の象徴でもあり、エロry。
そう、カルピスであることの意味が重要なのだ。
だからこそ、カルピスだけを映すべきで、かつ、それで十分なのだ。
素晴らしいカルピスシーン、{/netabare}ナイスカルピスだ。