ふりーだむ さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
和歌に込めた想い。時を越え、現代にも残る素晴らしい和歌の世界をコミカルに、シリアスに描いた作品
漫画原作:未読
和歌の流行した平安時代、現代でも有名な歌集・百人一首、その中の「恋歌」にスポットを当て、現代風に、コミカルに脚色した内容。
百人一首の選者・藤原定家が進行役となり、様々な時代模様と恋模様を描いた作品です。
近年、「ちはやふる」にて取り上げられることの多い「百人一首」。あちらは現代の「競技かるた」のお話ですが、こちらは編纂されている歌、その中の「恋歌」にスポットを当て、少々現代風にアレンジして一話完結の物語にしてあります。
出てくる登場人物たちは姿こそ平安貴族ですが、話す内容は現代用語で時には面白おかしく、時には恋愛ドラマのようなシリアスなセリフで物語を進めていきます。
進行役の定家が軽妙に序説を語り、物語に入れば、有名な歌人たちが平安衣装をまとい様々な形の恋模様を演じます。
在原業平や小野小町、清少納言、紫式部たちが藤原氏が栄華を誇る時代の中、貴族社会で叶わぬ恋や思いを歌に乗せ、結ばれずとも互いの気持ちをつたえている切なさみたいなのがよかったですね。
個人的は前半の業平、康秀、小町の3人のトークが軽妙で面白かったです^^どの話も現代風のセリフになっていてとてもわかりやすかったですし、見やすかったと思います。12話の道雅と当子のエピソードも良かったです。
最終話の定家のエピソードに伝えたいことが詰まっていたようにも思えました。身分や社会構造のが厳しい貴族社会の不自由さの中で、本音を歌に乗せて、あらゆるしがらみを忘れ、歌を詠み合い、自由に思いを伝え合う。今考えるとホントに風流でいいですよね。
今作は「恋歌」に焦点を絞ってましたが、できれば百首全部やって欲しいですね。こんなライトな感じの解説で百首やって欲しいものです。
「ちはやふる」の大江さんが歌に思い入れるのもわかる気がしました^^ちはやを見てる人も、1話が「ちはやぶる 神代も聞かず 龍田川 からくれなゐに 水くくるとは」からなので、見やすいのではないかと思います。
コミカルに、シリアスに平安時代を舞台にした現代風の台詞回しの作品。ちはやを見て百人一首に興味をもった方は見ておいても良いかもしれませんね。既に意味を知ってる方は解釈の違いなどでお気に召さないかもしれませんが^^;個人的には「着物の絵柄が動かない」ことを除けば見やすくて面白い作品だったと思います。