「ひぐらしのなく頃に解(TVアニメ動画)」

総合得点
89.4
感想・評価
2921
棚に入れた
13682
ランキング
80
★★★★☆ 4.0 (2921)
物語
4.3
作画
3.7
声優
4.0
音楽
4.0
キャラ
4.1

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Asuca さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

Answer -解-

 同人をなめちゃぁあかんなと改めて思わせる作品だった。ミステリーものとしての観点から考えると、真犯人の設定(最初の死人が生きている、連続殺人の非連続性)などでオーソドックスな点はあるが、それでも教科書的で個人的には好きな部類だ。
 アニメーションとしての表現は、プロではないのでよくわからないところがあるが、それでも、映像テーマ的に似ているハルヒのエンドレスエイトよりかは、映像表現は正論であると思う。ただ、願うならば、映像だけで、パラレルワールドの関係性に気づけるようなアクションが欲しかった。

 物語のストーリー面、設定面で驚きを覚えたところも多々ないわけではないが、何より、社会性の高いテーマを随所に散りばめ、アニメーションとして完成体を見せている点は、本当の意味でのアニメーションの本分を果たしていると思うし、その点でも大いに評価できる。

 終わり方がわかっていくにつれて、涙がこぼれそうなほど感動した。これは、最近はどうも真面にテーマにされにくい「仲間との絆」について真正面から描いていることに対してだ。ただ、終盤のバトルシーンがコミカルすぎたことで、ホラーものとしての一期及び二期のセンスを損ねてしまったような気はする。それ故に、涙を流すまでには至れなかった。途中で、涙が引いてしまった。

 作品全体としては、もはや文句のつけようがないほど出来がよろしい。しかし、ちゃちゃを入れるつもりはないが、少し作者が、作中の人物に干渉しすぎている感は否めない。読者の感想としては、なぜそうなった?という、結果と原因をはっきりしている方が後味がいいのは確かだが、想像の余地分を残していない点で、やはり色々と優しすぎると思う。

 あえて、書かないことで、作品の印象をより鮮明にできることは、ミロのヴィーナスの腕がないことで、よりその美学が磨かれるのと同義であると個人的には考える。その点で、やはりこの作品は少し優しく、勿体ないと思ってしまう。
 ただ、普通は、書かなくていい。書き過ぎだ。といわれる作品なんてのは滅多にあるものではないし、それだけ完成度が高いことを示しているのは確かだ。

 或いは、初めと終わりを作者自身が作ることで作品が死ぬことは、本当の意味でフィクションだ。虚構が虚構でありうる様に、話に連続性を与えなかったのならば、「ひぐらしのなく頃に」の、別の意味での解がこれで示されたのかもしれないと大げさに言ってみたりする。

 

投稿 : 2013/03/24
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サンキュー:

8

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