STONE さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
帰るべき場所
原作は未読。
4期めともなると、さすがにクオリティが落ちそうなものだが、相変わらずの高レベルを
キープしているのは驚かされる。
ただ、本作は今まで以上にバトル展開が多く、心温まる話が好きな人などはちょっと物足り
なかったかもしれない。
この作品の良いところは基本的テイストは変わらずにいても、微妙にキャラの心情などが
進展しているところ。
自分と関わることによって、妖怪による害が人に及ぶことを、夏目は3期で危惧して
いたが、本作では田沼が夏目を助けようと積極的に関わることにより、いよいよそれが
現実味を帯びてきた。
夏目の不安は一層高まりつつも、田沼の友情をより感じるわけで、複雑な思いだろう。
このシリーズの最終話は、いつも夏目の現在の立ち位置や状況を象徴するような
エピソードで締め括られるが、本作は特に「家」という概念を強調してきた。
夏目の生家が取り壊されることから始まるこのエピソードは、過去の回想で「自分に今いる
所は自分の家ではない」、「自分の家には帰れない」という幼い頃の記憶を描きつつ、いざ
生家を訪れると、そこには父との思い出はあっても、今の夏目にとっての帰るべき家は、
自分が現在暮らす藤原夫妻の家だと再確認する良回だった。
勿論、ここで言う家とは物理的な家屋だけでなく、そこで一緒に暮らす人達、更にここで
暮らすことによって繋がる人や妖怪との交流も含めてのもので、夏目は今の幸せを大切にして
いこうという思いを一層強くしたみたい。