りゃむ さんの感想・評価
4.2
物語 : 5.0
作画 : 3.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
必見です。もう一度言います。必見です!!
久しく見なかった傑作ここに!って感じです。
この作品、正直最終回までは中の上くらいの評価でいました。
しかも8話辺りまで見てそのあとは録画積みで一回切った作品でもありました。
その後、暇ができたのでちょっとずつ消化していったのですが・・・話数を追うごとにどんどん面白くなっていきました。
最終回は鳥肌ものです!
物語評価が★5までしかないのが残念・・・★7くらいにしたい
このアニメ・・・知名度人気ともに低すぎて語り合える人が少ないのが残念です。
とにかく見てほしい!
と、主観の感想終わり。
こっから考察です。
今回は渡辺早紀を語り部、主人公として描いていました。
しかしもしもバケネズミ(やこまる)などの視点でリメイクした場合、全然違う印象を受ける作品になっていたのでしょう。
すごく安っぽい例えをするなら、映画パールハーバー。
真珠湾攻撃をアメリカ視点で描いた洋画ですね。
日本人がこれを見た時の感想・・・それと似たような感覚があるのではないかと推察します。
また早紀は、ほかの登場人物たちと違いよく言えば道徳的、悪く言えば偽善的な性格をしています。
すなわち、バケネズミという敵側のことまで考えてしまう優しい人物。
しかしそれはいい意味で視聴者が感じていることの代弁を図るため(神視点にいる視聴者は双方の言い分が理解できるから)であり、正義や価値観を押し付けるためではないという点で、一切嫌悪感を抱くことがなく見ることができます。
{netabare} そして、早紀が最終的には倫理委員会議長たっての後継者として指名されていることにより、ただのカタストロフに終わらず希望を持たせた終わり方をしています。 {/netabare}
高度な知性をもつ別種族が同じ世界に存在した場合、それは善悪関係なく生存競争という争いが生まれるのは必然で・・・且つ高い知性を持つからこそ競争の勝者は“(自分たちの不利益にならない範囲で)生かしておいてやる”という傲慢な偽善を道徳のように振りかざす。
それは絶滅させることよりもむごい虐げなのかもしれません。
しかし、善悪関係ない生存競争というのは単純に種の保存、繁栄を目的とするすべての生物の本能で・・・
すごく深く、考えることの多い内容です。
これだけのテーマを安っぽい物語に落とし込まず、深く描きあげた今作は傑作以外の何物でもないと思います。
前半10話前後までプロローグというか布石がすごく長く、正直飽きるかもしれません。
しかしすべてはあの終盤の盛り上がりのための布石、伏線なのです。
未視聴の方には本当に頑張って見ていただきたい。
それだけの価値が終盤からラストにかけての盛り上がりにはあります。
BD買います!
追記
作画が崩れていたために★点数が上がらないのが残念・・・
見るに堪えないほどではないですが、結構目立ちます。
円盤のほうでは修正されているかな?