catcher さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
2クールフルに使えれば
原作未プレイ。
原作は発売当初から我慢していた。このアニメを楽しみにしていたからだ。
Steins;Gateの9年後、種子島に於ける少年少女たちの物語。後半からの盛り上がりはこのシリーズならではと言える。最初の1クールは我慢して観続ける必要がある。
また、本作の主人公はよくいる『無気力系』だが、その立ち回りはとてもいい味が出ている。常に無気力を装うが大好きな女の子のために直向に頑張っている。しかもそれを全く悟らせない。だからこそ序盤は単なる無気力に見えてしまい嫌いになる人も多いのではないだろうか?キャラの評価が低い本作ではあるが、個人的に主人公は良かった。
また、ヒロインはダメダメである。
とりあえず突っ走る。
KY。
不謹慎だし自己中。
ただし直向である。清々しいほどにロボットを愛し、目的に向けて常に全力。
ダメダメだけど直向な姿は応援したくもなるし、主人公の見せ場も多くなる。事実、この二人の心理描写は見事だった。
一方で残念な点もいくつかある。
端的に言って伏線が回収し切れていない。前作のSteins;Gateが完璧だったのでこれは少し残念。
具体的には{netabare}
・1話での世界線を表示した理由、およびゲジ姉の「その目誰の目?」
これは必要だったのだろうか?アニメを観た感じこの2つの要素は全く必要なかったように思える。
・モノポールは何故降ってきた?
これは全くわからないまま。
・昴の父は何故ロボをムリヤリに辞めさせる?
将来家業を継がせたいのはわかるが高校生のうちから辞めさせるのは何か理由があるだろうし、そのように描かれてもいた。なのにその内容については一切触れていない。
・主人公たちの発作について
アネモネ号集団失神事件において何故2人だけに発作が顕れた?{/netabare}
などなど。他にもあるのだが原作プレイをすれば明らかになることだろう。
本作の場合は説明不足だけでなく、淡白なイメージも出てしまったように思う。メイン2人以外のキャラの描写が実に乏しいのだ。
物語は非常におもしろいということは伝わってくる。『CHAOS;HEAD』はもっと顕著だったが尺が足りないというのは如何ともし難い。急ぎ足で物語を進行した結果、伏線を回収しきれない、キャラたちの描写も行えないといった事態に陥っている。あと2話あればキャラたちの描写はもう少し良くなっただろう。
ともあれ一見の価値はある。キャラや設定に頼らず物語で勝負している。
深みのある青春ストーリーを求めている方におススメの1作。
原作買って来る。