ともか さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
百合好きの方々への贈り物。 それは、いろんな味のいちご。
「聖ミアトル女学園」「聖スピカ女学院」「聖ル・リム女学校」という
3つのお嬢様学校があり、
家庭の事情でミアトルに4年生として編入学してきた主人公・蒼井渚砂が
送っていく学園生活を1年弱にわたって描いた作品。
2クール(全26話)。
主人公以外の主要キャラを2人だけ書きますが、
スペース圧縮のためにネタバレタグを使います。
{netabare}花園静馬は 6年生でエトワール(簡単に言うと3校のまとめ役、
模範となるような完璧な生徒)。
気まぐれな性格も手伝って、編入生の渚砂に気がある。
かっこよくて魅力的な人に見えて、公務をサボるなどの一面もある。
また、とある経験から心に傷を負っている。
涼水玉青は 4年生で渚砂のルームメイト。
通常は2人1組で寮の部屋に入るが、事情により彼女は一人だった。
そんなある日、渚砂の編入により彼女がルームメイトに。
2人はお互いに仲が良く、特に玉青⇒渚砂は恋人のように想っている。{/netabare}
この2人に主人公・渚砂を加えた3人を中心として
いろんな想いが交錯し、三角関係が何か所もできている作品です。
キャラの人数が多く、性格もみんな個性的なので、
好みのキャラが見つかる可能性も高いと思いますし、
2クールあるので脇役キャラでも登場回数は少なくないと思います。
前半は明るく楽しい話が多く、完全に渚砂が主人公。
後半に入ると静馬目線で描かれている回もあり、
{netabare}それぞれが抱えている悩みや、人間関係の拗れ{/netabare}など、
暗くて重い話の割合が多くなった気がします。
個人的には前半のような調子でキャッキャわいわい続けてほしかったけれど、
後半のような話を好む方も当然居るはず。
どのような展開でも楽しんで観られる方であれば、
一粒で二度おいしいのではないかと思います。
さらに、後半の展開が無ければ、2クールも持たなかった気がするので
(好きにはなれないけれど)仕方のない事として受け止めます。
正直のところ、
{netabare}パッケージイラストや、
スタッフクレジットで渚砂→静馬→玉青の順で表示されることもあって
渚砂と静馬が結ばれて終わる{/netabare}ことは想像がついてしまったのだけれど、
どうやってそこに至るのか、プロセスを楽しんで観ました。
欲を言えばその先も{netabare}6年生の卒業{/netabare}まで見せてほしかったです。
作画は全体を通してまずまず。
各キャラの魅力が分かるように描かれていたと思う。
声優はおおむねキャラのイメージ(見た目)通り。
泣き方は上手いけれど 笑い方はイマイチだった印象。
音楽については、お嬢様学校なだけあって、
バックミュージックにクラシック曲が用いられたり、
弦楽器やパイプオルガンみたいな楽器の演奏が多かった印象。
こういった楽器の音は基本的に好きなのだけど、
作中での音は安っぽい感じが否めなかったのが残念。
前期OP: 少女迷路でつかまえて
後期OP: くちびる白昼夢
前期ED: 秘密ドールズ
後期ED: 苺摘み物語
個人的に、なぜか前期ED曲の印象が強いです。
EDは前期・後期ともに中原麻衣(渚砂役)と清水愛(玉青役)の
実写映像になっています。
最初のうちは、勘弁してください。。と思いましたが自然と慣れてきました。
そしてなんと、実写での{netabare}キスシーン{/netabare}まであります(笑)
男性キャラは一人たりとも登場せず、登場人物は全員女性。
女性同士で恥じらうこともなく恋愛感情を持つので、
それがおかしいとか、あり得ないとか思ってしまう方は、
この作品を楽しむ適性が無いことになります。
また、抵抗がある方にも一切おすすめしません。
あくまでも「設定」と割り切ることができて、
なおかつ百合が好きな方のみご覧になっていただきたいと思います。
ちなみに「原作」と呼べる作品は数多くあるようですが、
私はどれも読んだ(遊んだ)ことがありません。
また、同タイトルの作品群でもそれぞれ設定や物語が異なるそうです。