佑太郎 さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
神も仏も、天使もなし。
主人公の音無が目覚めるとそこは死後の世界だった。
死後の世界の秩序を守る「天使」と呼ばれる謎の存在と、その「天使」に抗い死後の世界での自由を求めて戦い続ける組織「死んだ世界戦線」。彼らは日夜争いを続けていた。
音無は記憶を無くしており、訳もわからないままに戦線のメンバーに勧誘され、様々な騒動に巻き込まれながらも仲間との絆を深めつつ、「天使」や死後の世界の謎、そして自らの記憶について迫っていく。
死後の世界を舞台にした学園青春ドラマ。
重いテーマでありながら、底抜けに明るくて元気な登場キャラたちのおかげで重さはあまり感じられません。
個性的で魅力的なキャラクターがたくさん登場しますが、そのほとんどが実は頭が弱いという設定が個人的にツボで、ギャグの場面では笑わせていただきました。
また、こちらの作品にはガールズバンドが登場することもあり、音楽面でも力が入っていて、OPやED曲ももちろん良曲なのですが、挿入歌も良曲揃いでそちらも見所(聞き所?)となっています。
個人的に残念に思ったのは、物語終盤で駆け足気味になってしまったストーリー展開と、たくさんの魅力的なキャラたちをうまく活かせていなかった所です。
正直後半の展開には唐突感があり、私はあまり感情移入できていなかったので感動できませんでした。
1クールという短い尺では難しかったのかもしれませんが、少しギャグパートを減らして恋愛描写をもう少し取り入れればもっと良いお話になったかもしれません。
キャラクターも大半が尺の具合からかあまり掘り下げることができず、物語終盤の展開でもキャラによって扱いに差があったのは本当に残念でした。
物語の設定やキャラがとても面白い作品ですので色々と勿体なかったと思います。
2クールにして、各キャラの過去や恋愛描写を掘り下げつつ視聴者側に深い感情移入をさせることができていたなら、もっと素晴らしい作品に化けていたかもしれません。
批判的なことばかりを書いてしまいましたが、こちらの作品がそれほどまでに勿体ないと思わせるくらい世界観やキャラ設定、物語が素晴らしく感じた作品だったからということです。
良い所もたくさんあるし、何度も書きましたがキャラがとても魅力的な作品ですのでまだ未視聴の方には是非観ていただきたいと思います。
ちなみにOVAなんかは内容がぶっ飛びすぎてて爆笑ものですのでそちらも要チェック!
麻枝准さんの作品にはこれからも期待したいと思います。